第25話

そう、綾乃はお金のためにこうして働いている。


彼女の家は裕福からかけ離れた生活をしていて、初めて彼女と会った時は、ずっとお金のことを言っていた気がする。




まだ高校生なのに、ここまで一生懸命働く奴は珍しい。


立派だ、偉い、偉すぎる……


思わず俺の財布を彼女にプレゼントしたいぐらいだ。




そんなことを考えていたら、綾乃が笑顔で朝食を前に置いてくれた。


俺が好きな和食。


旅館で出てきそうなメニューに、俺はお礼を言う。



ちゃんと「いただきます」と言って、俺は黙々と綾乃の手料理を堪能した。


容姿だけじゃなく料理も上手なんだから、本当に立派なお嫁さんになれると思う……

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