第23話

廊下を進み、ダイニングに行く。


すると、キッチンを掃除していた黒髪の美少女……綾乃が俺に気付いた。




「あ、透、おはよ!」




長い髪をポニーテールにし、その白いうなじを晒して可憐に微笑む綾乃。


大きい瞳に俺を映し、嬉しそうに挨拶した綾乃。


細い体で一生懸命働く、天使のように可愛い綾乃。




……ま、眩しい。




思わず目を細めて、「おはよう」と言った俺。


すると綾乃が怪訝そうな顔をして、




「どうしたの、目なんか細めて。まだ眠い?」




と聞いた。



違う、お前が眩しすぎて……




「綾乃の笑みが眩しすぎて、つい目を細めた」




正直に伝えると、彼女はきょとんとした表情をして、そして




「眩しいって……なんで?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る