第7話

読者によって面白いと思う作品なんて様々だ。  



僕がつまらないと思う作品が、本屋ではかなり売れているように。



面白い作品。売れている作品。


より多くの人間が面白いと思う作品が、売れている作品なのだろう。



 

つまり、売れていない僕の作品は、沢山の人に読んでもらえたとしても、きっと面白い!と言ってくれる人が少ない、ということで。


それが、僕の悩みの種なんだろうな。




売れていない僕が売れている作品を読んで「つまらない」とほざくなんて。


客観的に見たら、それはただの妬みや嫉妬でしかないのだろう。



だけど、君には伝えたい。


こんな僕の愚痴をまだ読んでくれている、優しい君には言いたい。



僕は、売れているからと言ってその作品が必ず面白い、なんていう、数学教師でさえ理解できない方程式を理解していない。


売れている作品の全部は全部面白いなんて、あり得ない。


他の多くの人が面白いと絶賛しようが、僕が面白くないと感じれば、その作品は、売れてような売れてなかろうが、つまらないんだ。



売れている、ということは、あくまで自分が面白い!と思える可能性が高いだけで、100%面白いわけじゃない。



だから、有名な作品ほど批判も多いのだろう。




つまり何が言いたいかというと、僕は「売れているのだから、絶対に面白い」なんていう先入観を持っていないということ。


どれだけ沢山の人間がその作品を誉めようと、僕がつまらないと感じたら、たとえその著者が目の前にいたとしても、僕ははっきりと面白くないと告げるだろう。



売れている作家に嘘の賛美で媚を売ったところで、僕の本が売れるわけじゃないのだから。




賛美とは、嘘を含めば一気に価値が落ちるものと信じている。

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