第4話
もし君がただの読者なら、僕は君にただ「幸福者だね」としか言えない。
この苦痛を知らないなんて、本当に羨ましい。
そしてもし小説を書いたことがあり、でもまだスランプを味わっていない君にはこう言いたい。「こんな苦痛を味わう前に辞めろ」 と。
ずっと書き続けていれば、必ずぶち当たる壁。もしそのまま書いていれば、君は少なからずスランプを味わうだろう。
そしてスランプを経験したことがある作家さん、今僕は猛烈に君とハグしたい。性別なんか関係なく、ね。
スランプを味わったら、そのまま辞めるか乗りきるか、のどちからだ。
この世には今、ケータイ小説やらウェブ小説とかが日常的になっていて、素人でも小説家気分を味わえる。
ストーリーを考え、練って、文章でそれを描く。──────うん、いいんじゃないかな。
けどね、それはまだ趣味の領域だ。辞めようと思えば辞めれるし、未完のまま放置してもいい。
面白くないと評されても「タダの小説に文句を言うな!」 と言えるかもしれない。
僕に言わせればケータイ小説家なんて、しかるべきコンテストで賞を受賞し、書籍化されるまで一人前と言えない。
締め切りも印税も売れる作品を書かなければいけない重圧も知らない素人が、
自慢げに「自分は小説家だ!」なんて、お金を貰って書いている小説家が聞いたら鼻で笑われるだろう。
そんなものは、ゲーセンのカーレースで遊んでいる人が「俺、運転のプロだぜ!」と、二種免許を持っている人に言っているようなもんだ。
ああ、また話が脱線してしまった。すまない。
取り合えず今はお手頃に小説家気分を味わえる。そんな人達でもスランプを味わう。
でもね、批判される覚悟で言わせてもらうよ。君たちがスランプを味わったところで、それは本当の小説家の比じゃない!
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