第17話
「ふぉおおおお!!プリンスの指輪が50個もプレゼントされるってよ!!」
「一週間以内で全クリか……夜更かしすれば大丈夫!!」
私は親指をぐっと上げて微笑む。
友達も同じように口角を上げるが、次の瞬間、真顔に戻った。
「……いや、無理じゃん……だって、テスト勉強……」
「あ……」
辛くて苦しい現実を思いだし、オタクな私たちはそっとスマホの電源を切った。
改めて本を向き合い、取り合えずシャーペンを動かしてみる。
時計の秒針の音と、カリカリという音が響く空間。
「…………ねぇ、授業中さ、お腹が鳴ることってない?」
「あー、朝ご飯食い損ねた時に、あるね」
「それでさ、鳴るじゃん?静かな時に。めっちゃ死にたくなるんだけど」
「辛いほど分かる」
「あれさ、どうすればいいの?なんかいい方法ない?」
「ネットで、背筋を伸ばせばいいとかお腹に力をこめればいいとか聞くけど、あんまり効かない。早弁がいいよ絶対」
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