資料を読んで終わる

 もしくは、資料を探して終わる。


みたいなことをネットで書いておられる方がいて、激しく同意したので、私も書いてみた。


「さぁ! 書くぞ!」

と、意気込んで小説を書き始めて、ふとつまずく。

あれ? これはこれで良いのかな?

つまずいた時は調べないと。

最近はすぐにネットで調べられるから便利……だけれども、そこには罠が潜んでいる。


罠① 深みにハマる

確認したいことは分かったから、それで離脱すれば良かったのに、つい読み込んでしまうと、興味をひかれてしまってどんどん深みにハマってしまう。

事案に関して深く知れたことは、ある意味後々のためにもなって良かったけれど、本文はまったく進まなかったという痛み分け。



罠② 調べたけど使わなかった

ネットのみならず、資料用の本を借りて読んだりして、じっくり調べて自分的にOKを出したにもかかわらず、結局は本文に載せてみると、無くても良い情報だった。

「まぁ、別の機会に活かせるよね」

と、自分を励ますが、せっかく巡ってきたその機会でも、やはり同じように調べはじめてようやく、

「……あれ? これって前にも調べたよね?」

……ってなる、年寄りの悲哀。



罠③ 調べたけど分からなかった。

これは2パターンある。


(1)調べたけれど確たる結論にたどり着けなかった。

(2)調べたけれど私が阿呆で分からなかった。


最近は(2)が多くて困る。

苦手分野だから調べるんだけれど、苦手分野だからこそ、書かれていることが頭に入らなくて目が滑る。

近頃はAIが要約している案件もあるけど、奴は上手に嘘をつくので、一応記事を読もうと試みる。だけど私の知能では追いつかず、分からないことを抜き出して、また調べるの繰り返し。

これで結果、どうにか理解できて本文に活かせれば、それまでの苦労は報われる。けれど、結果が(1)だったり、「罠②」だったりすること、はなはだ多くて涙する。



この状況、ジャンルがファンタジーだったりSFだったりすると多く発生するのだけど、私は年寄りなので、現代日本を調べ直すこともある。

例えば電車の「網棚あみだな」は今は何て言うのか? とか。


でも結局、資料は資料でしかないので、必要なのは自分の中にある物語だから、情熱があるうちにとにかく書く、というのも大切だと思うのよね。

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