「天使が歌うとき」を反省する
天使が歌うとき
https://kakuyomu.jp/works/16818622173605130955
【KADOKAWA 児童書編集者主催】「人工知能×青春小説」に投稿した作品。
締め切り7分前に投稿を完了したという、とても肝を冷やしたという逸話付き。
投稿作は完成を必要とはしていなかったが、どうしても最後まで書き切りたかった。たった1000字に満たない最終話だったが、これが入ると入らないとでは、印象がまるで違ってしまうと思ったからだ。
時間が無いので、書いたそばから公開して行ったのだが、追いかけるように付く応援マークに励まされ、どうにか書き切ることができた。
本当に本当に感謝しかない。
この物語は、私が漫画雑誌へ漫画を投稿していた頃に考えた話がベースになっていて、漫画用の話を小説として作り直したのがこの作である。「人工知能×青春小説」というタイトルを見て、これが書けるのではないかと思った。
その漫画は結局、完成することも投稿することも無く、それを最後に雑誌への投稿も止めてしまったので、およそ30年を経て形にできたことは、良かったと思う。
けれど、私は音楽に関しても、人工知能(AI)に関しても、詳しい訳では無い。
一応、ネット等で調べることはしたのだが、ことAIに関してはうっすらと輪郭を掴んだにすぎず、正直、自分のなかでは複雑な気持ちが渦巻いていて、はっきりとした何かを見つけることはできなかった。
そんな私がこんな話を書いてしまって大丈夫なのか、とも考えたが、「書こうと思ったのだから書こう」という気持ちになり、締め切りも迫っていたので、とにかく物語を書いてみることにした。
ロボット(AI)に心は無い。そう思うのは対する人が思ったことだ。
これはこの作品の、ひとつのテーマでもある。
これにはちょっとしたヒントがあって、こち亀の両さんが、漫画の中でボカロの歌を評した言葉に、「感情が無い歌だから、聞く人が自分の感情で聞くことができる」みたいなことを言っていた。
これがずっと私の記憶の片隅にあって、今回のアキトに繋がっている。
ボーイソプラノに関しても、変声期に関しても、音楽に関しても、ネットに載っている情報ぐらいしか得ていないので、専門家の方がもしうっかりご覧になったなら、鼻でお笑いになるだろう。先に謝ります、ごめんなさい。
ただ唯一、私は素人ながら舞台というものに立ったことがある。劇場と名の付く舞台に立ったことがある。その拙い経験が命綱となって、この作品を書くことができたのかもしれない。
以前の私は、プロットや設定をしっかり組み立ててから物語を書き始める方だったが、最近は「お題と締め切りのある短編」を数多く書いた経験から、異世界ものとかで背景をしっかり構築しないとならないもので無ければ、それほど下書きをしないでも書けるようになった……かもしれない。
今回は、「テーマ」だけを決めて書き始めてしまった。「ロボットは心が無いし成長しない」なんて、ある意味陳腐で使い古されたテーマだと思う。
けれど「心が無い」のに「考え、動き、話す」物体を、どう表現すればいいのか、アキトに関してはかなり悩まされた。
本人の気持ちのこもらない言葉というのは難しい。その気持ちはハルトのものでなければならない。アキトのセリフと行動は、ずいぶんと書き直しをさせられた。
この事と、ハルトが変声期を迎える辺りからの陰鬱な展開に、筆者が引っ張られてしまって、思ったように筆が進まなかったのも、終盤に追い詰められた(私が)理由だと思う。
けれど、皆様が寄せて下さった「応援メッセージ」や「レビューコメント」を拝読して、最後まで書ききって良かったと、本当に思った。
私はやはり、最後に「良かったね」と言える作品を書いて行きたい。
大団円とは行かなくても、最後には希望や未来を感じさせたい。そう思って書いている。
今回この作品こそ、皆様から頂いた感想に、筆者自身が学ばせて頂いたことは無い。皆様の感性にただただ感服するばかりだ。
何よりも皆様が、大切に読んで下さったことが伝わって、物書きとしてこれ以上の幸せは無いと感じている。
ここの改めて、深い感謝の気持ちを表したい。
本当にありがとうございました。
2025・6・2
矢芝フルカ・拝
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