第3話 太陽神はトラブルメーカー
パンッ。
俺は手を合わせて言った。
「ご馳走様でした!!」
『はい お粗末様でした』
俺はラーメンを食べ終わって幸せな気持ちだった。
『…余韻に浸かってる所済まないのだが……』
「ああ、もちろんわかってるよ」
保食神─うけもちにラーメンを食べ終わってからでいいから行ってほしい所がある、とお願いされていたのだ。
「それで行ってほしい所ってどこなの?』
『それについては妾が案内するから大丈夫だぞ』
おお、それは心強いな。
『じゃあ早速行くぞ……とりあえず前進して………』
──15分ぐらい経っただろうか…?
「ここなのか?」
『ああ、妾の記憶ではここで合ってるはずじゃ』
……その記憶ってどれくらい信用していいんですかね。
『主様、上をご覧になってください』
ん?別に上にはなにも……な、い……
「なんかあるんですけど!!??」
俺の真上にあったのは大きな檻のような見た目をしたものがなにかを囲っていた。
中にはうけもちと同じようだが、うけもちよりか何段階か色が濃ゆい霊魂があった。
『はい これは天スキルである『魂の檻』だと思われます。そして中にいるのは……!』
え?なになに。なにがいるの?
『あれは……
「天照大御神!?!?」
そこにいたのは日本人ならば誰でも知っているであろう太陽神、
俺を勇気を出して話しかけてみた。
「あ、あのー!天照大御神様ー!聞こえますでしょうかー!!」
少しの静寂の後、女性のような声が聞こえてきた。
「…最初から聞こえてるよ……そう我が天照大御神、太陽の神だよ。なにか我に用があるの?」
すごく威厳があったが何か悲しそうな声にも聞こえた。前世だったら有能な若い女性社員のような威厳があるのになあ。
でもそれはそれでなんで捕まっているのかもっと気になる……
「いえ、用があるのは俺じゃなくて……」
『天照大御神様!妾をご存知ですか?保食神と申します』
天照大御神はうけもちを知っていたようで……一瞬で驚いたような表情を見せた後、
「…!ああ、もちろん存じておるぞ。だが…其方はあのくそやr……
今この人月夜見尊のことくそやろうって言おうとしてたよね……?
『その通りでございまして……現在妾は魂だけの状態となっていてこの悪魔、アルカのスキルとして生きておるというわけでございます』
「ほう…そういうわけであったか。では礼を言わねばならぬな。保食神をスキルとして保護し、この場所まで連れてきてくれたありがとう」
おっと、あの太陽神から感謝されてしまったぞ。
「いえ、大したことではないですよ」
「いやいや、そう謙虚せんでよい。普通神をスキルとする行為は危険なことなのだ。それを平気をやってのけているんだからすごいことだよ」
……おーいうけもち。これわかってて俺にやらせたのか?
『い、いや……わかっておったが………アルカなら大丈夫と信用しておったのじゃ!本当じゃぞ。いや冗談とかじゃなくて』
うん、これ嘘だな。まあ天照大御神に免じてここは許してやろう(?)
「あ、我に聞きたいことがあるのならなんでも聞いていいよ」
天照大御神様が質問していいよと言ってくれたのでせっかくなので一番気になってることを聞いてみた。
「……なんで『魂の檻』に閉じ込められているんだ?」
そう聞くと天照大御神様は少し悩んだような素振りを見せた末に話し出した。
「まあ、そこが気になるやろうね。なんとなく予想してたけど本当に一番最初に聞いてくるとは思わなかったよ………まあ理由を色々あるんだけどね。一言で言うならば、戦いに敗れた、だな」
おっとあの天照大御神でも負けることもあるんだな。
「おっと信じられないっていう目をしてるね。さすがにこの我でもいつ、どんな状況であっても勝てるというわけではないのだよ」
意外がっていたことがバレていたみたいだ。なんでやねん。
「まあ、聞いてくれ。まずね、あのクソやr……月夜見尊が我に戦いを仕掛けてきたのだが…」
こいつもうわざとクソやろうって言ってるだろ……。
俺はジト目のまま天照大御神の話を聞く。
「まあさっきも言った通り敗れてしまったってわけだ。その時我は色々あった後でいつもの40%ぐらいしか力が出せていなかったのが敗因ってところだな」
ありゃありゃ……負けてしまったのね………てか40%しか出せていなかったら負けるのも当然か。
『主様提案があるのですが』
ん?ちょっと言ってみて
『天照大御神様を魂の檻ごと保食神様の異袋に収納することができるのなら私がどうにか『魂の檻』を解除することができますが、どうでしょうか?」
おお、これはまた大胆な提案だとこと。でも天照大御神がゆるしてくれるだろうか?
『はい 許可を出す可能性の方が高いと推測します。主様は、保食神様になにも危害をあたえなかった、ということで少なからず信頼できない者とは思っていないはずです。それに天照大御神様は強いという粋さえも超えた神ですので例え主様に裏切られても天照大御神様に危害はないと予測されます』
確か…に?
ま、まあラグエルさんが言うならそうなんだろう。とりあえず提案だけでもしてみよう。
──俺はラグエルさんが考えた提案をそのまんま伝えたら…
「うん。じゃあそうさせてもらおうかな」
と、かなりあっさり承認してもらった。正直もっと疑ってほしい気がしなくもないが……まあ、俺のことをあの天照大御神が信用してくれるのだから別にいいか。
『それじゃ保食神、よろしくな』
『ええ、よろしくお願いいたします。妾がお役に立てるかわかりませんが……』
『いや、保食神の異袋があるだけでも凄く助かってるんだから!それだけで役に立ってるんから、そんなに遠慮しなくてもいいよ』
『っ……!本当ですか!ありがとうごさいます!』
『後、アルカは我のこと天照大御神って呼ばなくていいよ。自分が好きな呼び方でいいよ』
おお!じゃあ天照さんって呼ぶことにするわ!(あだ名はちょっと恐れ多いd( ̄  ̄))
うんうん、うけもちと天照さんももうすっかり打ち明けた(?)みたいで安心だ。
そんな時、急に天照さっmは俺に話しかけてきた。
『あ、そうそうアルカ。いい提案があるのだが聞いてくれるか?』
「ああ、別にいいぞ、それで提案ってなに?」
あの天照大御神の提案なのでさぞ素晴らしい提案なのだろう。
『国を作らないか?』
「へ?」
『下位の悪魔達を集めたりとか、方法は自由でいいが、国を作れば色々と便利だろ?』
いやなに言ってんの!?国ってそんなに簡単に作れるもんじゃないよ???
皇祖神である天照さんからすれば簡単かもしれないけど、まだ生まれたばっかりの悪魔?人間?
『魔人といいます』
…魔人の俺にとっては難しすぎて声のキー+10上がってまうぞ()
『そんなすぐできるみたいに言われてもね……」
『いえ、すぐとは言いませんが主様が思われているほど難しいものではないと想像します』
おいおい、ラグエルさんまでおかしくなってしまったのか?
『……下位の魔族である
……おかしくなったなんて言ってすみませんでした。
ま、まあ…そういうことなら作ってもいいか……
「ああ、そうするよ。天照さん」
『それがよい。それでは我がおすすめしたい場所があるからそこに転移しても大丈夫?』
…転移?
『魔力を使用して一度も行ったことのない場所に転移することができるというスキルです。行ったことがない場所の場合、自分でその場所を想像したり、異空間を通って行くという方法もありますが、視認できる場所に転移するという方法を行うのが一番楽です。又は座標を設定することで可能となります』
あ、ああ…そういうことね。
「じゃあ、そのおすすめの所ってところまで転移してくれ!」
『おっけー。転移!』
──謎の浮遊感の後、目の前に広がった姿はここが雲の上の世界ということは忘れ見惚れてしまうほどのものが目の前にあった。
『うむ、我が一万年ほど前に作った『神樹』がまだ残ってるとはね……』
そう目の前にあるのは見えない所まで伸びている樹、神樹があったのだ。そしてその周りに木でできているであろう民家らしきものがちらほらあった。
『ここにはハーフエルフが住んでいます。ハーフエルフは神全般を崇めておりますのでもちろん保食神様と天照大御神様のことも崇めておると推測します』
……世界大戦時の日本かよ。
『ねえ、アルカ。確かだか、あそこにある他とは少し違う感じの民家がここの長の家だよ。とりあえずあそこに行ってみたらどう?』
ん?
そう言われ俺は再び神樹の方に意識を向けて見てみると確かに他の民家とは違う雰囲気の豪華な家が確かにあった。
「うん、そうするよ。とりあえず転移の練習であそこまでは自分で転移してみるよ」
俺は転移の練習と合わせてあそこまで行くことにした。
ラグエルさん、転移のコツを教えてください!!
『はい 行きたい場所を頭の中で想像してください。その状態で『転移』と言うことで可能です』
おけおけ。
ということで今さっき見たあの豪華な民家を頭の中で想像して……………
「転移!!!」
─少しの間の浮遊感の後、目の前に現れたのはさっき俺が頭で想像していた豪華な家だった。
「よし、一発成功だ!」
『おお!初めてで成功とは……アルカ………お前なにもんなんだ…?』
「い、いやぁ………普通のしがない魔人ですよー」
転移を一発成功できるのってそんなにすごいことなのか……?
『はい 転移は
なるほど……?だから下位悪魔である俺がこんな簡単に使ったから普通の悪魔なのか疑われたのか…………
「ま、まあそんなことは置いといて…………とりあえずドアをノックしてみるよ…」
コンコン。
「ごめんくださーい!」
……………
10秒ほど待っても応答は帰ってこなった。
「すみませーん!俺、アルカ=サルベージと言うんですけどーードアをあけてもらいませんか?」
…………………………
まったく返答がない…
『勝手に開けても大丈夫と推測します』
え?そうなの?じゃあ……まっ、いっか!
「それじゃあ…お邪魔しまーす!」
そう大きな声で言って俺はドアをあけると………目の前にいたのはいかにもお金を持ってる、という感じの黒髪で水色の目をした整った顔をしている謎のハーフエルフが笑顔でコーヒーカップ?みたいなものを持って、いた。
「なんのようじゃ?」
ほら、天照さん出番ですよー
『お主よ』
そう天照さんが言うとその人は、さっきまで持っていたコーヒーカップ?を落としてしまい、机をドン!と叩きながら荒ぶった状態で椅子から立った。
「天照か……?本当なのか……?」
『あ、ああ…本当だぞ』
そのエルフの質問に『本当だぞ』と天照さんが答えるとその人は急に剣を抜いた。
「天照…本物とはな…………ここでお前を殺す」
「『は?』」
◇◇◇
あとがき
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すいません。いつもより長くなりました!
天照さんがやっと登場です!!やはり日本神話といったら太陽神である天照大御神様のイメージが強いですからね!
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