第2話 神と出会う

 ──1分ぐらい前に進んでみたが、あるのは等間隔にあるモダン風な柱だけだった。…マリオ64みたいだな。ケツワープできないかな。ネオ・ケツワープでもいいから…


 …ん?……なんかあそこに水色の霊魂みたいな見た目のものがあるような……


「おーいそこの悪魔!妾の話を聞いてくれんかー?」


 ちょうどその場所から中性らしい声が聞こえてきた、一人称が妾なので多分女性だろう。俺を呼んでいるようだ。


「俺ですがなんですか?」


 至って普通に返答した気だがその人はとても驚いた顔でこちらを見つめていた。


「……妾の声が聞こえるのか?本当だな……?本当なら手をあげてくれんか?」

「え、ええ聞こえてますよ。ほい」


 そういい手を挙げると、


「本当に妾のことが見えておるのか………!またこの声が誰かに聞こえる時がくるとは…感動じゃ」


 そこまでことか?もしかしてこいつ嫌われているのかな、かわいそうだな。


「なにかあったんですか?」


 俺が質問すると『聞いてくれるのか?』と言い、話し始めた。

 …俺何も返答してないんだけど……。


「そうなんかあったんだ!実は妾、月夜見尊つくよみという神に斬り殺されて魂だけの状態になっているのだ。妾はしっかりおもてなしをしたというのに…………あ、そうそう自己紹介がまだだったな。妾は保食神うけもちのかみというぞ。食物神でもあるぞ。ほれそなたも名乗れ」


 うんうん………神なのかよ……後…月夜見尊って月の神様だよね…?それを怒らせたってやっぱりこいつやばいやつのか……?


 ま、まあ…とりあえず自己紹介だが……今さっき歩いているときいい名前が思いついたのでそれを言わせてもらおう。


「俺はアルカ=サルベージだよ」


 いい名前だろうと加えて言うともちさん(勝手にあだなつけた)はなにかひらめいた様子で言った。


「いい名前じゃな。妾の名前に別名にしてもいいか?アルカ」


 早速呼び捨てかよと思ったが神なのに俺がタメ口なのに対してなにも言ってこないところかなり心が広いみたいなので許してあげよう……やっぱり、別にやばい奴ということではないのか。


 別に俺の名前を使われても神なら逆に嬉しいというものなので許可した。


「別にいいけど……これからどうするの?」

「うーん……そうじゃな…………そうだ!妾はそなたに付いて行くぞ。スキルとしてな」


 え?と声が漏れてしまった。


 いやな…神なる存在が俺のスキルとして生きて行くなんていやでしょ…と思って聞いてみたが


「いやいやいいんじゃよ。どうせ魂の状態じゃいくら妾でも千年持つかどうかなんじゃから、それぐらいならそなたに付いていって今の世界を知りたいしな。それにそなたからは話していて全くの悪意が感じ取れん。お主本当に悪魔かと思うほどじゃ。まあ、この通りだ。だから別にいいじゃろアルカ」


 確かに、と思った。


 もちさんはずっと魂の状態でここにいたのだから今の世界を知りたいのは当然といえば当然だし、神にとって千年なんて一瞬だろうしな。


 なので俺は快く了承した。


「そういうことなら……いいよ、別に」

「ほんとか?じゃあお邪魔するぞ」


 シュッ。


 そう言う音と共に、目の前に見えた水色の霊魂はスッと俺の中に入っていった。


『おーいアルカ、聞こえるか?』


 びっくりした。俺のスキルとなっても喋れるんだな…


「ああ、聞こえるよ………あ、後うけもちって呼んでいいか?』


 さすがにもちさんだと神の威厳が許さないだろうと考えたのでうけもちにした…いや、そんなに変わらないか。


『ああ、いいぞ。あ、そうそう忘れていたが妾はそなたの異袋いぶくろの代わりとなるぞ。あとは…そうだな、頭のなかで考えてる食べ物を生成できるぞ』


 まじか!最高すぎじゃん……それは食べ物好きの俺にとって一番うれしいことだ。


 なんて心の中でガッツポーズを掲げていると、そんなことしてる場合じゃないというばかりに荒ぶった声が聞こえてきた。


『ちょっと…!主様このスキルはなんでしょうか…?』


 ラグエルさんがかなり動揺している声で聞いてきた。


 それに答えたのはうけもちだった。


『おお、知恵の神である思金神おもいかねのラグエルか!妾は保食神だ。覚えておるか?そして…今からアルカのスキルになったからよろしくな!』


 ニッっていう効果音が聞こえてきそうなほどの笑顔が見える……


 そう聞くとラグエルは安心したようで、


『保食神様でしたか……それなら大丈夫ですね………主様、スキルの食事ができm』


 ラグエルがなにか言っているというのに途中で言葉を挟んだのは、


『いやその必要はないぞ、ラグエル。妾が食物神あるのをしらんのか?妾がするのがいいと思うぞ』


 おっと、うけもちは食事のスキルも持っているのか、これはラグエルさんの負担を減らせたのだからよかったと言える……はず。


『そうですか……それでは今度からはよろしくお願いします……では食事ができましたので、そこの皿に置いておきますのでぜひお食べください。主様』


 いつのまにか置いてあった皿の上に置いてあったのは俺が前世のこの世なく愛したラーメンだった。


「うお!ラーメンじゃん!こんなのも用意できるのか……それじゃあ早速いただきまーす!」


 まずは麺からいただきます…うん、前世食べたものとほとんど同じ味がする。チャーシューも…同じだな。というかこれ俺が前世食べた二蘭のラーメンとまったく同じ味の気がするんだが?


『はい その通りです。主様が前世で食べられた豚骨ラーメンというものを再現させてもらいました』


 ほぉ…これを3分ぐらいで作れるんだからだいぶ便利だな。

 あ!そういえば、と思いうけもちに聞いてみた。


「なあ、うけもち。七味ってだせるか?」


『ああ、出せるぞ。そなたが頭のなかで念じればな』


 よしっ。七味、七味、七味、七味、七味、七…


 プン。という音と同時に七味が出てきた。

 俺はそれを咄嗟に取って、さっきラグエルさんが作ってくれたラーメンにかけて、食べてみた………うん!俺が念じていた二蘭の七味とまったく同じ味がするぞ!これは最高だ。


 そんな気持ちが顔が出ていたのかうけもちは、


『よろこんでくれたのならうれしい限りじゃ…それじゃそれを食べ終わったら妾が連れて行きたい場所がある故、そこに行ってもらってもいいか?』


 いいよ!と了承しながら俺はラーメンを食べていた…





 ◇◇◇


 

 あとがき


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 個人的に保食神は結構好きなんですよね。死んだ理由が可哀想だからですね。知らない人は一回ググってみてください。まじで可哀想だから。

 
















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