第10話 マスク

Q.マスクをつけるとなぜ可愛く見える気がするのか?

A.脳の錯覚

 新型コロナウイルスが流行ってからマスク美人なるものが世間でも話題になったが、その前からマスクをつけることで「あれ、自分ってちょっといけてる?」と思ったことがある人は少なくないだろう。この理由を中学生の時インターネットで調べると、人間の脳は自分の都合の良いように足りない情報を補おうとするため隠れている部分を無意識により良く補完しているのだ、とあった。なんとまあ人間の脳というものはお幸せにできているのだろうか、と思ったものである。

 しかしまあ、本当にマスクを最大限に活用してマスク美人になる人はとにかく目が大きくはっきりした人。もしくは涼やかな目元ながら整った配置である人だろう。あるいは口元や中顔面に自信がない人。残念ながら、私はどれにもはっきり当てはまらない。涼やかと言えば聞こえはいいが、ほんのり厚ぼったい瞼。鼻筋は通っているが小鼻がもうちょっと小さくなればなあと思う鼻。平均的な厚さの唇、なぜかうっすら小さなホクロ付き。顔は小さい方だがぽっちゃりしているせいであまり注目されない。

 マスクをしたところで、平凡な人間は平凡なのである。マスクなどしていても感染する時はするのだから早くそのような習慣なくなってしまえと思っていた。何しろアイプチ勢である私は普段から目元ばかり見られるのは大変困るのでマスク生活が大変苦痛であった。世間の目が緩和されてくると真っ先にマスクを捨てたものだ。職場では着用義務があるので大した喜びはなかったが。ちなみに幸か不幸か私はコロナには未だに罹患したことがない。なぜかコロナが流行っていた時期に1人インフルエンザになって苦しんだが。なぜか昔から時期外れに感染症にかかるのだ。

 何はともあれ、マスクというものはメリットばかりが取り上げられるが私にとってはデメリットだらけである。まず、使い捨てだから高い。その次に、目元が際立つ。更には、年中鼻炎人間なので息ができない。極め付けは、夏場暑くて仕方がない。特に、息ができないことは大変に不快であった。マスクを着用し仕事する私のspo2値は常に95〜96%、呼吸苦の自覚あり。夏場の湿度としんどさを兼ね備えるとより不安定になるので、真夏は酸素投与してくれてもいいのよ。と思いながら仕事している。ちなみに脈は常に90台から上なので完全にタキッている。患者を看ながら自分が病気になりそうだといつも思う。クラスターの時は、そこから更にフェイスシールドだのマスク2枚使いなど指示されるものだから、つい非常階段に目がいったものだ。(ここから出て、もうとんでやろうかと本気で思った)

 そんな一方で、マスクをつけ慣れて逆にマスクを外せなくなってしまったという人もいると言う。それを嘆かわしいと言う人がいるが今話題の多様性とやらで、マスクをつけるつけないも自由に開放的な考えになってほしいものだ。もちろん、感染症の流行があれば特定の機関に勤める者は義務で然るべきだと理解している。

 しかし、私生活でマスクをつけない人に訝しげな視線を向ける人はいまだにいると言うのだからそれもおかしな話だろう。こうするべきだ。これはおかしいと決めつけて集団で圧をかけるやり方はもう現代にふさわしくないのではないか。

 、、、私がただマスク排斥派なだけである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

おいしいハーブティー 白瀬蘭 @ran_wanwan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ