第7話 エデム
エデム、エデマ、エデーム、エデーマ。私と同じ業界にいる方々はすぐピンとくるだろうが、浮腫あるいはむくみを示す言葉である。私はこのむくみに長年悩まされている。
まず第一に、朝イチの顔の化け物加減である。朝起きてすぐ洗面所へ行くが、鏡に映った自分があまりにも不細工で寝起きにびっくり。心臓に悪い。あれは本来の私の顔ではないと信じている。顔は一回り大きくなったように見受けられ、瞼はアイテープを貼って寝ているのにシジミレベルでの開き具合。全体的にどんよりとした顔つきである。
そして第二に、化粧ノリの悪さである。昼間に化粧するのと朝に化粧するのとでは完成形も、それまでの過程でのやりやすさも全く異なる。仕事はどうでもいいのだが、友人と遊びに行ったり旅行に行ったりする時はとても困る。前話を読んでくださった方は覚えているかもしれないが、私は睡眠時間を一定に確保しなければかなりむくみが増長されるのである。夜遅く帰る、朝早く起きる、前日の晩に外食して塩分やアルコールを摂る。全てがむくむ要素でしかない。誤解を招きかねないので一言付け加えると、私は遊びに行くのも旅行も塩分たっぷりのご飯もお酒も大好きである。しかし、不細工な顔で微妙な化粧をして旅行先や街中を歩くことには抵抗がある。なんとも悩ましい。
私の数少ない友人の1人は、顔がむくんだことは無いのだという。夜行バスで12時間揺られてやっと足がむくんだような気がする、というレベルである。体内水分量が平均よりもかなり少ないためだろうか。羨ましいことこの上ない。彼女も彼女で、水分量が少ないために尿検査では毎回引っかかったりどんなに良いスキンケアを使っても顔や髪が乾燥したりと悩みがあるらしいが。人生とは無い物ねだりである。私の脂や水分をぜひ分けたい。
むくみを解消するマッサージやホットタオルなど色々試したが、効果は今ひとつであった。私に今できることは、睡眠時間を保ち普段は塩分やお酒を控えてむくんでもそこまで酷くならないよう努めることだけである。ちなみに枕も高枕にしている。涙ぐましい努力である。
むくみやすい体質の軽減を図るために漢方を飲んだこともあるが、尿量が増えたのみだった。出るが、その分喉が渇き水分を摂取するのでプラスマイナスゼロ。むしろ一歩進んで2歩下がったような気さえしたためやめた。
薬でも、施術でも、生活の知恵でも、何か良い方法はないものであろうか。このままでは私はきっと将来むくむくにむくみ、点滴のルートが取れないと騒がれるおばあちゃんになるに違いない。痛いのは嫌なので、ぜひ避けたい。
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