第10話
「…退け」
「嫌です」
「仕事だ」
「それでもダメです」
「…」
言っても無駄だと思ったのか強引に通過しようとする熱い身体をガシッと掴む。
「行かせま…せんからね!」
「…」
「ぐぐ…!」
そこでようやく彼が怪我人だということを思い出し、「っすみませ…」と慌ててその手を離すと、静かな医務室に盛大なため息が響いた。
「どうしろってんだよ」
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