第4話

慌てて駆け寄り抱き起こした身体は汗だくで、加えて思わず手を離してしまう程に全身が異常な熱を放っていた。



慌てて「MALU呼んでくる!」とウィルが医務室へ走る。




息も切れ切れなその苦しそうな横顔に、ただの過労ではないとあたしにでもわかって、



そっとジャケットを脱がそうと傾けた彼の背中に広がる染みにハッとする。




「っ…ちち…血…!?」









「…―ったりめぇだ、斬られてやがんだから」




早朝に起こされ不機嫌極まりない蘭丸が、処置を終え白衣を靡かせる。



昇る朝日が医務室を眩しいくらいに染めていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る