第5話

「き…られ…?」



「通りすがりに、ってとこだろうよ、武士じゃあるまいし」



「え、なら…警察とかっ」




「フン」と馬鹿にしたようにあたしを見る目が、行ってどうする、と言っていた。



幸い傷口は浅く、命に別状はないみたいだけど…。




「眠らせてあるが、起きてもここから出すなよ」




コキコキと首を鳴らすとジャケットに着替え、荷物を手に部屋を出る蘭丸。




「ちょ、行っちゃうの?」




焦るあたしに「どうせお前暇だろうが」と言い放ち車のキーを片手にエレベーターへ。



出すなと言われても、

無理ですよ大先生…。

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