#03 背景世界について(その2)
背景世界の続き、となります。
機構軍が地球上に敷設したスポットと、そこから伸びる分断線によって、エリア内から移動できなくなってしまった人類ですが、その後、スポットを次々と破壊、分断線を解除して、水没していた地上もゆっくりと水位を下げて、もとの地上の姿を取り戻します。
被害も甚大ですが、機構軍を完全に殲滅することはできず、人類と機構軍は長い停戦状態に入ります。
また、ゲートは機構軍との戦いで破壊され尽くしてしまい、次元門も閉ざされてしまいます。
ただ、その間に人間以外の異種族たちが地球を訪れ、新しい時代を迎えることになります。
異種族たちですが、簡単に説明しておきましょう。
まずは、ノアルデュール。
戦闘種族で、女性しか存在しません。
巨人で、背丈は3メートルにも達します。
武器の扱いに長けていて、自分の武器は自分で鍛えることでも有名。
傭兵として、各地を転々としております。
2番目はアーズモラン。
いわゆる、オークです。が、知性は劣っておらず、スケベでもありません😔
こちらも戦闘種族です。爪と牙を持ち、力あるものに従う、という習性があります。
やや短絡的で、直感で行動することも多い。
軍は持たず、個人で行動します。
SF小説に『次元監視官出動!』という小説があるのですが、そちらに人類と敵対する種族にネアンデルタール人から進化したダルギル人という存在が登場するのですが、元ネタはそちらから。
アーズモランという名前は、ダルギル人のうち、人類に味方する勢力の名前……だった気がします。
3番目は、エンシェントビーイング。
こちらは、いわゆる伝説や民話に登場する人以外の存在をまとめたもの。人狼や吸血鬼、グール、その他……なのですが、獣人が圧倒的に多いので、エンシェントビーイングと言うと、一般的には獣人のことを差します。
4番目にダイキニ人。
次元世界を渡って渡航していた商業民族です。
彼らは装甲トレーラーに乗り込み、地球のあらゆる場所に出没し、商取引を行っております。
基本的に平和な種族ですが、見返りがあるのなら、暴力的な手段にも平気で訴えます。
他にも、異種族はここに書き切れないほど、設定しているのですが、それについては、小説でまた、紹介したいと思います。
地球に、ゲートが開き、異種族が押しよせてきて、しっちゃかめっちゃかになってしまう……というのは、よくある世界観と思いますが、なりちかさんは、TRPGの「シャドウラン」に影響を受けております。
こちらの世界にも銃器は存在しますが、シャドウランのようなメインの武器としては扱われておりません。
また、ネットもユーアールという全宇宙規模のネットワークが存在しているのですが、一般には普及しておらず、情報は、ファーヴィルという組織が占有しているので、ウイルスなども存在しておりません。
さて……スポットは破壊され、機構軍による温暖化も解消され、地球はもとの状態へと戻ります。
ですが、苦難の時代はまだまだ、続くことになります。
機構軍の主、アルドナルたちが、ゲートをくぐり、現れたからです。
アルドナルですが、彼らは次元を渡航する民族です。
もとは、ガルト界と呼ばれる異世界で暮らしておりました。
世界樹と太古の古龍、ジェナースによって見守られ、平和に過ごしておりました。
が、アルドナルのなかにも野心的な人物がおりました。
彼らは九柱の魔術師と呼ばれ、ジェナースを倒すことによって、神性を得ようとしたのです。
九柱の魔術師は、その名の通り、9人の魔力に優れたアルドナルでした。
彼らは何度もジェナースに挑みますが、なかなか、勝利することが出来ません。
ついに、九柱の魔術師は禁忌を破ってしまいます。
宇宙の涯にあるしみから、力を得ようとしたのです。
しみは、前回の不完全なビックバンの残り滓なのですが、それに触れることは、禁忌でした。
ですが、彼らはさらなる力を得るために、実行してしまったのです。
結果、九柱の魔術師たちは、次元世界の外からの力を得ることになりましたが、同時にそれは、外界から奈落よりのものを招き入れる結果となってしまいました。
奈落よりのものは、破壊衝動そのもので、本能的に憎しみしか抱いておりません。
九柱の魔術師たちは、ジェナースを駆逐することによって、神性を得て、不老不死と次元世界に干渉する力を持ちましたが、ガルト界は滅亡、さらに他の次元世界へも奈落よりのものが侵略してくることになりました。
ガルト界から逃れることに成功した一部のアルドナルは、フェアガルトという別の次元世界へ逃れました。
世界樹は、フェアガルトを中心にして、根と枝葉を伸ばしており、その先に次元世界が創造されていき、そこを通じてアルドナルたちは次元世界を支配していった。
前回の【紫紺のイーヴルアイズ】シリーズで簡単に説明しましたが、『世界樹の若葉』に登場するシルヴィーネは、このフェアガルトの女王候補だった人物です。
世界樹を通して次元世界を支配していたアルドナルたちですが、その支配体制も、陰りが見え始めております。
世界樹が次第に枯れ始め、次元世界へと移動できなくなっていたからです。
そんな時に、貴重な世界樹の種が盗まれてしまう……という事件が起きます。
犯人は、シルヴィーネの父親です。
そのせいで、シルヴィーネは女王候補から外され、さらに父親を捕らえて、世界樹の種を持ち帰ってくるまで、フェアガルトへの帰還を禁じられてしまいます。
因みに、このアルドナルの設定ですが、こちらは指輪物語のドゥーナダンを参考にさせて頂いております。
というところで、背景世界のついて(その2)はここまでとします。
運がよければ、その3に続きます。
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