#04 背景世界について(その3)

それでは、背景世界について(その3)です。


前回は、分断線の時代とその終焉。機構軍との一時的な講話。ガルト界のアルドナルたちと九柱の魔術師たち、について語りました。

それでは、ここからが続きとなります。


ガルト界の破滅と同時に、フェアガルトへ逃れたアルドナルたちもおりましたが、そうではなく、他の次元世界の資源を食い尽くしながら、渡り歩いている者たちもおりました。

それが、地球に機械獣を尖兵として差し向け、さらに支配せんとゲートから出現してきた者たちです。


アルドナルは魔力を潜在的に持っており、魔術を使って、地球を占領しようとしました。

優れた科学技術と強力な呪文、機械獣たちを使いこなし、アルドナルは地球全土を一時的にですが、支配することには成功します。

ただ……アルドナルにも、弱点はあります。

それは、繁殖力の弱さです。

アルドナルは、人間よりも優れたステータスと魔術の適性が備わっているのですが、人口で比べると、圧倒的に不足しております。


さらに、地球の人間たちも、いつからか、魔力が目覚め、呪文を使いこなせるものが出現していきました。

アルドナルの魔力の元となっているのは、魔力の鐘楼、という特殊な施設です。

これは、土地から魔力を吸い上げて、アルドナルの魔術師に魔力を供給し、人格を共有して、意志の力だけで会話をしたり、相手の視線を通じて呪文を行使したり、無尽蔵に呪文を使用することなどが可能になります。


こちらの元ネタは、TRPGの「ルーンクエスト」の「昇月ノ寺院」です。

ルナー帝国の魔術師は、赤い月が魔力の源泉となっているのですが、満月の時は呪文の力は普段の2倍となるものの、新月の期間はまったく呪文を使うことが出来なくなってしまいます。

それをカバーするのが昇月ノ寺院で、寺院の近辺は数マイルに渡って満月と同じ状態になる、というものです。


アルドナルは、要塞化された「魔力の鐘楼」を次々に建設していき、支配領域を拡大していきました。

が、人間たちもそれに抵抗し、魔力の鐘楼を破壊しながら、反撃を加えていきました。

最終的には、アルドナルたちは破れ、未踏の南極へと追放されてしまいます。


さて……アルドナルの脅威が去ると、軌道上のコロニーでじっと、この時を待ち構えていた、旧人類——旧エドレイン人と呼称されておりますが、彼らは天より降臨します。

彼らは、大陸に9つの巨大なドーム都市を建設し、現人類の守護者を名乗りますが、積極的には支配はせず、都市に引きこもったまま、現状を維持し続けることになります。


極寒の地で、サバイバルをしながら、アルドナルたちは、逆転のカードを切るため、九柱の魔術師の一柱、魔王ベルフェラーシアを召喚することにします。

召喚には成功し、魔王のもとでアルドナルたちは反抗攻撃をはじめますが、九柱の魔術師を召喚したことによって、奈落よりのものを呼び寄せてしまいます。


奈落よりのものは、破壊衝動の塊で、エリオンと呼ばれる眷属を率い、自分を含めたすべての存在を混沌の海へと投げ入れ、混沌そのものと化すことを目的としております。


アルドナルは南極より脱し、人類と奈落よりのものと、三つ巴の一大決戦を挑みますが、ベルフェラーシアは傷つき、肉体を維持することができずに、眠れる肉体と魂、器の3つに分かれて、回復する時を待ちます。

アルドナルの残党は、奈落よりのものを制御しようとしましたが、それはうまくいかず、封印するに留まりましたが、時折、領域の外へと染み出しては、アルドナルと人類、双方に被害を与えるなどしております。


ということで、奈落よりのものは、地上のいつくかの場所で封印され、アルドナルの王国も統一の機会を狙いながら、大陸の各地で雌伏する……という時を迎えます。


時代の推移を説明するために、一部未登場の種族などもいるため、現在の勢力や種族をまとめてみます


まずは、現人類。

今の人類とは、ちょっと異なり、発情期があったり、水棲種、陸棲種、山岳種、森林種、貴族種……などがあると考えているのですが、今のところは深く考えておりません。


機構軍。

機械人に率いられた金属の肉体を持つ種族。超大型からナノマシンぐらいの大きさまで、様々。

階級などは不明。

アルドナルに従っている集団もいるし、反抗している集団、またはどこの集団にも所属しない機械人もいます。


エンシェントビーイング。

獣の体を持つ人間に似た種族。国家を持たず、家族単位で行動しています。

古代の伝説に登場する、吸血鬼やグールなど人獣以外の種族も含まれます。


ノアルデュール

巨人の戦闘種族。アルドナル側についたり、人類諸国についたりしている。国は持たず、集団または個人で行動する。


アーズモラン

戦闘種族。アルドナル側にはつかず、人類諸国の傭兵として使われることが多い。国家はあるが、他の種族は受け入れていない。戦争など大きな戦いに介入することは稀。


アルドナル

魔力を持つ人間型種族。奈落よりのものを封印した地を監視する形で国家を築いている。


奈落よりのもの

混沌の走狗。意志を持たず、時々、封印を破っては外界へと染み出してくる。


ダイキニ人

商業種族。装甲トレーラーを乗りこなし、汚染された地上を移動して商品を届ける。


ブランデッド人

特定の種族ではなく、アルドナルのなかに、魔術消去、生命吸収などの得意な能力を持つ個人が生まれることがあるのだが、そうした者は禁忌の存在とされ、アルドナルの都市から追放される。彼らはアルドナルに対して深い憎しみを抱いており、ブランデッド人であることを隠して、人類の都市で暮らしていることが多い。


旧エドレイン人。

旧世界の人類。ドーム都市から外に出てくることはない。


なりちかさんが描くのは、だいたい、この時代について、ですね。

というところで、背景世界について(その3)はここまで。

次回は、現代の大陸の情勢などについて、語りたいと思います。

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