良かったです。

 いじめが解決していく中で、主人公は自分が被害者でなくなっていく、世界が悪ではなくなっていくことに、反発心を抱いているような気がしました。いじめを俯瞰して見ていたからこそ、自分は周りと違うと思っていたのに、周りが自分を見つけてくれた途端に、世界と自分との境界線がぼやけていくような…感覚を主人公は覚えたのかなと思いました。
 それが、単なる主人公の賢さなのか、ストレスによって心を歪ませ閉ざしたことの表れなのか、分かりませんが、とても忠実な心理描写だなと感動しました。

 おもしろかったです。次々に読み進められる文章力、展開力も圧巻でした。次の作品も楽しみです。応援しています。