第2話 驚きの悦び

志楽は、廃病院の中に入ったが———


「お邪魔しま〜すぅ——

 やべぇめちゃくちゃ、、、暗いな」


廃病院の中は、とても暗かった、

所々、ひび割れの音が「ピシッパキッ」と聞こえてくるほど静かでもあった——

そして志楽は、大きなバックからあるものを取り出した


「流石心霊スポットなだけあるな、まぁ、こうなることは大体予想できたから—

 よしあった懐中電灯、スゴイバッテリー付き、、、まぁ名前が変だな」


そう思いつつ懐中電灯をつけるとそこには受付カウンターとその上には

壊れかけに見えるブラウン管テレビがあった——


「はぁボロボロだな、これ、つくのか?よくゲームならつくが——」


その時、いきなり電源が付き、音声が流れ始めた———


「やぁ、ようこそ、我が研究所へ。」


そこから流れた音声は、40代半ばのおじさんの声だった——

さらに喋り始める。


「君は、ここに目的に来たのかな?それか迷子かな?、、、、、、、どうやらその目を見るに、——迷子———ではなさそうだ。

 だとしたら意図してきたのかな?」


何かを知っているかのような口調で言ってくる————


「おっと、私の名前を教えてなかったな、私は、そうだな、——被験体No.84——気軽に、”ヤヨイ”と呼んでくれたまえ。」


ヤヨイは、そう言って自己紹介をした。志楽は、それを聞いていて思った


―――あれ?こいつ、黒幕的存在じゃないのか?こういうヤツは、大体自分の正体を隠すけどこいつ、堂々と―被験体―って言ったぞ、隠す気ねぇなこいつ。――


「な、なぁ、ヤヨイ、お前は俺を殺そうとしないのか?」


困惑した顔をしながらヤヨイに話しかけていた。


「ふっ、面白いことを聞くね。確かに、ここに来た人は、大半、死ぬ気がないからね。でも君はある死ぬ気持ちがね。だからこそ見てみたい、君がどう動き、どう考えるのか。気になるのだよ。」


そう、嬉しそうに答えるが、だがどこか怪しさを残していた。

その時、いきなりテレビの画面が光りだす。――

志楽が目を細める


「うわっまぶし」


不気味な音を立てながら話す


「さぁ、私を運べ―――被験体No30―――」


どこからか足音が聞こえてくる。

志楽が足音の方を向いても、そこには何もいなかった、だが確かに足音は聞こえてくる、まるで。


――腕だけで走っているような音が――


もう一度、テレビのほうに目を向けてみると、そこには、テレビを咥えている大きな顔と、そこから生えている、2本の腕、そして肝心の顔は上半分がない骸骨のような、いかにも、怪物みたいな生き物がいた。そしてテレビの画面には、目が映し出されていた。そしてヤヨイが、喋り出した。


「これで動きやすくなっただろ、この子は、私の足の役割だ、あぁ、安心したまえ、私は、君に危害を加えることはないよ、私はね。」


志楽はその瞬間、驚きと疑問が浮かんだ。 

そして話した


――なぜ――


――なぜ――


――なぜ――


「なんで、わざわざ骸骨の上、壊してんだよ!!」









「は?」


ヤヨイは、呆然とした








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