第2話彼女…。
(俺「まじでどうなってんだよ?!」
何度見てもクロだ。俺の飼っているペット。
写真だって俺が一ヶ月前ほどに撮って…たしか
しんすけに送った写真…だったはず。
(俺「確認…」
俺はLINEを開き、しんすけとのトークを確認する。
トーク画面を開き、指で下へスクロールし始める。
スクロールし始めてから20秒もせずあの写真がでてきた。
(俺「やっぱり…しんすけに送った写真だ。」
そこには俺がしんすけに送ったクロの写真が。
まさか…しんすけ?しんすけがネカマして俺を騙そうとしてんのか?…ありえるな。アイツの性格だ。おちょくられててもおかしくはない。
(俺「しんすけの野郎…!」
俺はほぼブチギレ状態でしんすけに電話をかけようと指を動かす。
【ぷる〜ぷる〜ぷる〜】
チャッ。
(俺「おい!しんすけ。」
(しんすけ「なんだよっ?!今ちょっと忙しいんだよ」
電話にでたしんすけはあたふたしており、何かやっているようだ。
(俺「わかってんだろ?俺がお前に電話かけた理由」
(しんすけ「え?わかんねぇーよ。なんだよ教えろよ」
(俺「シラきるつもりか?お前だろ?ネカマなんかしてきやがって。」
(しんすけ「あ?ネカマ?なんの話だよ…マジで今忙しいから明日学校でな〜」
(俺「お、おい!しんすけ?」
電話切りやがった…。たっく…何してんだよ。アイツ。今日はバイトでもなかったはずだぞ?。
まぁ、明日学校でアイツを問い詰めてやる。
ーーーーー翌日ーーーーーー
(ミナ「おはよ〜。あれ?コウスケ今日なんか早いね?」
朝いちで学校に着き、しんすけが来るのをカタカタ足を踏み鳴らしながら待ってる俺にミナが話かけてくる。
(俺「うん。しんすけと話があってな」
(ミナ「話?えー?なんの話???もしかして好きな人…とか?!」
(俺「違うけど。ミナには関係ない話」
(ミナ「え〜。気になるんだけど。」
ガラッ。
ミナが話に興味を持ちジタバタしていると、教室の扉を開ける音がする。
(岡山先生「あら?御子裏さんにこうすけくんじゃない。どっちも朝早いわね。」
(ミナ「岡本先生〜おはよ〜!」
(岡山先生「はい。おはようございます。こうすけくんもおはよう。」
(俺「おはようございます…」
(しんすけ「おっ!先生おっは〜」
(岡山先生「しんすけくんおはよう。」
(俺「お、しんすけ!」
やっとしんすけが登校してきた。にこにこ顔で。
(しんすけ「で…コウスケ昨日の話なんだったんだ?」
(俺「お前から切り出してくるか…」
しんすけはとんだすっとぼけ顔で俺を見つめている。
(俺「お前、この前さ平野行動で女性ぽい人と仲良くなったって言ったろ?」
(しんすけ「あー言ってたな。まだ仲いいのか?」
(俺「あれ、お前だろ?」
(しんすけ「は?」
俺が問いただした瞬間にしんすけの表情が変わる。さっきのニコニコすっとぼけ顔とはうってかわり、口をあけ眉を歪ませコチラを凝視した。
(しんすけ「コウスケ、俺がネカマしてると思ってるってことか?」
(俺「あぁそうだよ。昨日電話で言ったろ」
(しんすけ「はぁ…呆れたぜ。俺がネカマなんかするかよ?そんなだっせーこと」
今度は呆れ顔でこっちを細めた瞳で見てくる。
(ミナ「え…?しんすけ女の子のフリなんてしてるの…??」
どうやらミナは近くで聞き耳をたてていたようだ。
(しんすけ「だっから…俺はそんなことしねーつぅのぉ!」
しんすけが大きく否定する。教室内に響くレベルだ。幸い今は教室内にクラスメイトは俺たち3人だけだ。
まぁ…先生はいるが。
(岡山先生「コラ。しんすけくん。大きな声出さない。お母さんに言いますよ」
(しんすけ「ちょっ…スミマセンそれだけは…」
(俺「まぁお前がネカマやってるかどうかはスマホをみれば分かる話だぞ」
(しんすけ「スマホ?たっく…なーんでダチを疑うかな…ほらよ。スマホ…」
そう言うとしんすけはポケットの中からスマホを取り出し、俺に突き出す。
(しんすけ「えーっと暗証番号はっと」
(俺「パスワードならもう入力して、開いたぞ」
(しんすけ「あっあ?!俺コウスケに暗証番号教えたっけ?!」
(俺「しんすけ…お前、パスワード自分の誕生日じゃねーか。こんなん友達同士なら誰でも分かるっつーの。」
(しんすけ「あー…やっぱ暗証番号変えるべきか、」
パスワードを変えるべきか呑気に考えているしんすけの隣で俺はSNSアプリ「Y」を探す。
(俺「おっ…あったあった。しんすけ、お前のYのアカウント見るけど大丈夫か?」
(しんすけ「いいよ別に。変なことしてねーし」
開いたしんすけのアカウントはしんすけの言うとおり、なんの変哲もない普通のアカウントだった。
(俺「うーむ。」
(しんすけ「で?俺のYのアカウントみてなんになるんだよ。」
しんすけのアカウントは特に何か呟いているわけでもないし、変なアカウントをフォローしてるわけでもない。
そもそもあの人…「こと」さんのアカウントとはアイコンやら名前やらIDやら全部違う。
しんすけは特にサブアカウントがあるようでもないし…。
(俺「しんすけじゃない…?」
(しんすけ「たっく。あったりめーだろ。そもそもなんで俺を疑うんだよ」
(俺「………俺がお前に送ったクロの写真覚えてるか?」
(しんすけ「ん?クロ…あぁ。おまえんちの猫だろ?そう言えばそんな写真あったような」
(俺「その写真が送られてきたんだよ…その人からDMで」
(しんすけ「はぁっ?!まじ?それやばくね?!」
(俺「そうだ。やばいんだよ!そんでな!その写真はお前にしか送ってねーんだよ!」
(しんすけ「そうなのか。だから疑われてたのか〜」
(俺「そういうこと。それでだけど、お前2つ目のスマホとか持ってねーよな?」
(しんすけ「はぁ?バカ言うなよ。ただでさえ貧乏なのに2台目のスマホなんざ無理に決まってるだろー」
(俺「んじゃ、どっかのSNSサイトに俺が送ったクロの写真を転載したりしてねーよな?」
(しんすけ「はぁ…どんだけ疑われてんだよ俺。転載しない転載しない。今までそんなことあったかよ。」
しんすけの言う通り、実際、しんすけにいくつもの写真送ったがどこかに流出するなんてことは一度もなかった。
(しんすけ「で、俺の疑いは晴れたか?」
俺「…あぁ……ごめんな疑って」
(しんすけ「全然いいでぇ〜。で、それよりよどうすんの?その写真送ってきた相手。」
(俺「そうだな…このまま放置ってわけもいかねぇーし。ゲームをする関係を続けるのも無理がある。警察とかに相談したほうがいいかもな」
(しんすけ「警察…?おまわりに相談してもなーんも解決しないと思うけどな。写真送られてきただけだろ?そんなんじゃお巡りさんは動かねぇーよ!」
(俺「んじゃどうすれば…」
(しんすけ「なぁ、俺たちだけでどうにかしてみねぇーか?相手をとっ捕まえようぜ!」
(俺「はぁ?お前な…」
しんすけ…こいつすげぇ他人事だ。流出先が俺としんすけのLINEならコイツも他人事じゃすまねーと思うけどな。
(俺「とっ捕まえるってどうやってすんだよ」
(しんすけ「えーとな、そうだなぁ…あ、そう言えば。」
(俺「ん?どうした?」
(しんすけ「そういや、俺、2ヶ月くらい前かな?そんくらいのときにスマホ落としたんだよ。」
(俺「え?」
(しんすけ「でさ、落としたスマホを誰かが拾ってくれてたんだよ。もしやその人が?!」
(俺「だ、誰なんだよその人。」
(しんすけ「いや、拾い主の人には母ちゃんがお礼をしたから誰かは…」
クリーピーフィッシング。 山本パラパッテイキー @ajKdw999
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。クリーピーフィッシング。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます