3/14:鉱物、地球の生んだ恍物
3/13
午前の出来事
・またやらかしてしまった。でも昨日よりはまだましか? よっぽど楽しかったんですね、おとといが。でもいい加減戻っておいで、まともな私に……今思えばそんなの超希少種だったか。
午後の出来事
・MS iglooをまた見返してしまいました。MS igloo2はすべてがバッドエンドなこともあってちょっと私的には苦しい作品でしたけれど、MS iglooの方は(とはいえバッドエンドではありますが)毎話毎話感動するからついつい重い作品なのに見返してしまう……。でもって今日は時間があったので珍しく主題歌を飛ばさずに聞いていたのですが……、何あれ、めっちゃいい曲じゃん。ってなりましてね。Tajaさんの「時空のたもと」っていう曲なんですけれど、う~ん、歌詞ももちろんいいんですけれど、それより曲調がグッときましてね。是非、是非フルで聞いてみてください。
あ、MS igloo繋がりで、やっぱり私はヒルドルブが大好きということを再確認したのでご報告(あまりにどーでもいいな、おい)。けれども3話しかありませんし、ファーストを見たことがあるor多少重くてもどんとこいの人にはアニメの方も曲にせっとっでお勧めしておきますね。
3/14
午前の出来事
・あっぶなぁ……。ぎりっぎりでカクヨムコン間に合いましたよ、だから意図せずワンライ形式になったのでああいう作風になったわけですが……、私的にも案外悪くなかったので満足しておきましょう。今日が金曜日だと気づかせてくれた友人に感謝を!
・鉱物バザーに行ってきました! ふふ~ん、オーライトを買ってきたんですよ、やぁ、綺麗だ。
午後の出来事
・雪月さんの「神依のシズ」読了しました。っぁあ~! やっぱりワクワクしますよね、って済ませようかとも思ったのですが、作品内で矛盾の無い内容にどこかほの暗く、だからこそシズの内面を深く感じられるストーリー、……ああ、満足(恍惚)。
一体全体どうしてくれるんですか、私の中のめっちゃわくわくしたハイファンタジー部門で独走状態の「孤独の魔女と独りの少女」と比べたって遜色なかったですよ! あれに代わる作品なんて早々見つからないと思っていたのに!
……ぁ、興奮しているだけです、お気になさらず。
<鉱物、地球の生んだ恍物>
「ねー、君はどんな石が好き?」
「アクアマリンとかかな、三月生まれだし」
「そういえば3月って誕生石増えてたよね、2021年に」
え、そうなの? 目の前で楽しそうにけらけらと笑うのは部活の同級生、同じ班員のTさん。
「えっと、ブラッドストーンと……そうだ、アイオライト。アイオライトって綺麗だよね」
「つまりはアクアマリンとブラッドストーンと、それと……?」
「アイオライトとサンゴ。いーな、綺麗なの多くて」
Tさんがスマホに映して見せてくれたのは、深い紫か、紺とでもいうようなシックな色をした、それでいて透明感のある石。嗚呼、確かに綺麗。
「そういえばそろそろ鉱物バザーの時期だね」
「何、それ」
「ん-? 全国のいろんな鉱物を取り扱ってるお店が集まって開くバザー、みたいな?」
去年はそこで一万円も使っちゃったんだよねー、あはは……。どこか楽しそうに笑うTさんは、私から言わせてみれば異常なレベルの鉱物マニアだ。あ、もちろん誉め言葉って意味で。どうやら鉱物の図鑑を小学生の時にフル暗記するレべルで覚えているらしく、研究内で新しい鉱物が出てきても八割方「あ、あれね」って和英の訳付きで呟いていたりもする。
「行ってみれば?」
「行く!」
つい、何も考えず返事してしまったが、それもまた一興というもの。確かに話を聞く限り私の中では興味しかないものだった。
◇◆◇
そして迎えたバザー初日。部活の時間との折り合いもあるから、いられるのはせいぜい午前中だけ。正直Tさんの様につぎ込むだけの丹力も財力もないけれども、だからこそ見たい、あわよくば買いたいと思う鉱物をピックアップして絞っておいた。
まず一つはアクアマリン。実は現物なんてほんの少ししか見たことがない。ならば今回どれだけ高価であろうとその輝きを拝んでおきたい。
もう一つはクロムダイオプサイド。石言葉は「幸せの道しるべ」。私のお気に入りの石言葉のうちの一つを持つ、いろんな意味で思い入れの深いその石を、いつか見てみたいとは思っていた。
そして最後に新しく追加されたというアイオライト。あの静かで深い紺の輝きは、きっと私を魅了する。
そんなことを考えていたものの、いざ行ってみれば私の目を引くような鉱物ばかりで。中でも、パイライトの綺麗な立方体の中に一回りほど小さな立方体が食い込んでいたものなんて、見たこともなくて。
そんなことをしていたら、クロムダイオプサイドは案外簡単に見つかった。というのも、やっぱりというかなんというか、人気な鉱物であるらしく店頭に美しく磨かれたクロムダイオプサイドたちが陳列されている店だってあった。
けれどもそれらの値段は4000円だとか、6000円だとかが当たり前。残念ながら私にはまだ、そこまで割り切ることができていない。
どこか申し訳なく思いながら人でにぎわって狭くなった通路を右へ左へと進んでいく。
あ、あれは。
そんなことをしているうちに目に留まったのは500と書かれた紙が貼ってある白い3つのバット。
ふと、店員さんと目があった。
ここのはね、何入れたか忘れたから案外面白いのが入ってるかもよ。
そう言って手招きをする店員さんに導かれるようにそのバットの中の鉱物が入った小さな厚手のビニールケースを物色してみると、なかなかどうして、知らない鉱物の名前がどんどん目に留まっていく。
レモンクオーツ、確かにうっすら黄色い。
「それはね、着色してるから黄色いんだよ」
その店員さんが言うには、鉱物には色を染めてもいい限度というものがあるらしい。
「例えばね━これは色を付けすぎてる」
店員さんは私がもう一方の手に持っていた、含浸ガーネットと書かれた袋を指さして、言った。
なるほど確かに、言われてみればほかのガーネットよりも赤黒い。
「で、何をお求め?」
「あ、アイオライトとアクアマリンを」
「安いのならこっちにもあるよ」
店員さんが恐らく本命の商品が入っているであろうケースをガサゴソと動かしていく。けれども、確かに他のお店の物に比べれば5桁の商品が少ないだけ良心的なのだろうか?
「アクアマリンがこっち」
わあ……、思わず声が漏れ出そうだった。そのケースの中は一面の綿と、その合間に小さいながらも確かに存在感をもって輝く空色の鉱石、ルースがあった。
エメラルドカットにブリリアントカット。どれもがその鉱石を生かすために切られており、その輝きは心地よく目をちかちかさせるとでも言えば伝わるだろうか?
「で、こっちがアイオライト、こっちのきらきらしてるのがちょっといいやつ」
ちょっといいやつ、と店員さんが言ったその鉱石はアイオライトサンストーンと言うらしい。アイオライトの深い紺の中に光を反射してきらきらと光る小さなさざれ石のようなものが閉じ込められていた。こんな形容、安直だけれど、夜に浮かぶ星の様だった。
けれど、私は一通り見切る前に、もうすでにひとつのアイオライトに堕ちていた。
カットの名前も知らない。決して大きくて豪奢で、光の加減による色の違いも十分に分からない。けれども含浸処理もされていないのに夜色よりもさらに濃い紺を内包した、涙型のルース。
「これ、ください」
「こんなのでいいの?」
「はい」
確かに目立つものではないけれど、私はこのルースが好きになったから。
ありがとうございました。と自分でも驚くほどにこやかに店先を去り、バザーの会場を去る。時間は12:52分、今からなら部活には十分に間に合う。
来てよかったな。それに、来年も行きたい。
こんなことを教えてくれた人のつながりに、感謝を。そして美しい鉱物を生み出す自然の神秘にも、感謝を。
自然の神秘に心奪われた、そんな一日。
明日はどんな日になるのかな、でもとりあえず今日は、おやすみなさい。
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