3/9:ものこころ

3/8

午前の出来事

・妹とキャッチボールをしました。飛距離こそないけど真っ直ぐに投げれてるときもあった。頑張れ!


午後の出来事

・友達と遊びに行く(ついて行く)予定だったのに何故か予定を立てろと言われましたが故、遠足のプランを作っていました。

 いや~、ちょっとの遠出でもかなり高く付くから困ったものです。


3/9

午前の出来事

・お父さんが千葉へ出張なのでお見送り。どうか事故諸々が起きませんように……。


午後の出来事

・きぃきぃ言っていた自転車を病院に連れて行きました。ブレーキの接触の問題だったそうですが、直った後の帰り道が爽快でしたね~!

 そうそう、月1でタイヤの空気を入れるといいそうですよ。ついでに電動空気入れなんてどうですか? お高いですがタイヤが破裂する心配も無く思った通りの空気圧に出来ますよ!(尚買っていない)


3/8

午前の出来事

・前期で合格した先輩方が顔を出しに来てくれました。いや、お世話になった先輩も、人気者の先輩もにこにこと、楽しそうでしたね。何よりでした。……けれど、あの人は落ちちゃいましたか。後期試験、頑張ってほしいです。


午後の出来事

・明日、友達と遊びに行くんです。それも中学の時のソフトテニス部の。ふふっ、カラオケに行って、銭湯に行って、みんなで散歩して。どうか晴れますように。


<ものこころ>

 ある日、それは最寄駅からの帰り道。

 突如私の脚たる自転車が悲鳴を上げだした。


 きい、きい


 一回こぐたびになる音に、重くなるペダル。

 乗るたびにどんどんとその症状はひどくなっていく。

 油をさしてみたり、空気を入れてみたり、けれども結果は変わらない。


 そして昨日、ついに私はこの自転車を点検してもらうことにした。

 自転車の重いペダルをこいで最寄りのイオンバイクへ。


「この自転車を、点検お願いします」

「はい、どうしましたか」

「最近自転車をこぐたびにきいって音が鳴って、ペダルも重たくなっているんです」

「わかりました」


 フジワラさんというその人はにこやかに対応をすると、真剣なまなざしで私の自転車を触れ、見ていく。サドルを軽く押して、タイヤをつまんで首をかしげて、後輪の軸を覗き込んで。


「ブレーキが接触していますね。整備しますので30分ほどお待ちください」


 物の数十秒でフジワラさんは自転車の病気を見抜いて見せて。慣れた手つきでラミネートされた3番の整理券を私に渡した。整理券にはラミネートでも守り切れていないうっすらとした油じみができている。


 ……すごいなあ。

 私はそんなことをぼんやりと考えていた。


 そして帰ってきてみると、私の自転車はほかの整備されたであろう自転車たちと一緒に整列していて、対応してくれたフジワラさんが少しばかり注意と説明をしてくれた。


 虫ゴムの交換と、ブレーキ接触の改善。仕組み上音鳴りは起こるらしいけれども、その時はまた来てくださいとのこと。


「こぎ出しの時のギアっていくつですか」

「6、ですけど」

「なら、これからは少し下げてみてください。今回のような接触不良の原因になるので、良くないです」


 え、知らなかった。じゃあ、この不調は私が引き起こしたのかもしれないのか。要は私は物の心、「ものこころ」とでも言うものを、おろそかにしていたのだろう。


「あと、空気も月一くらいで入れてくださいね、タイヤが凹むと側面にひびが入る原因になりますし、摩擦が大きくなるのでペダルも重たくなりますから」


「けれど、膨らませすぎも駄目です。これから暑くなっていくので破裂してしまう可能性がありますから」


 次々と言葉を重ねていくフジワラさんからはからっとしたと熱気が襲い来るようだった。その輝く瞳からは自転車整備士としての自転車相棒への気持ちが伝わってくる。

 この人には「ものこころ」が分かっているかのような、そんなことまでも思わせる熱気だった。


 壊れたら修理すればいいっていうわけじゃない、「ものこころ」をちゃんと読み取ってやる必要がある。


 これからはちゃんと「ものこころ」を気にかけてやろう。自転車君は苦しまないと声を上げられないから、苦しむ前に、苦しまないようにその気持ちを汲み取ってやろう。


 小さな自転車整備ピットで感じた物を慮る心に感動しながら、過去の自分を振り返る、そんな一日。

 明日はどんな日になるのかな、でもとりあえず今日は、おやすみなさい。

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