3/7:素行不良は鳥をも敵に回す

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午前の出来事

・学校への通学路で鳥の糞の白い雨に降られました……。もう、嫌……。


午後の出来事

・まずい、タブレットのキーボード君が不調だ! 900文字打つために凄く時間がかかりましたよ……。うーん、単なる接触不良か? 学校配付のだから保険はあるけれど、困るものは困ります。


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午前の出来事

・球技大会がありました。運動をしないからドッヂボールでは外野回収要員でしたけど、楽しくはあったです。……無理やりキャッチしようとしたら指が腫れました。どれだけひ弱なのよ、私の指め。


午後の出来事

・図書館に本を返しに行きました~、でもって久々にログホラでも読もうかなと思いましてね、借りちゃいましたよ。いやあ、アカツキみたいなの好きです、ああいうキャラは……好きなんです。

(キーボードは大丈夫になりました! 良かったぁ……)


<素行不良は鳥をも敵に回す>

 ええ、何だい。

 ……ああ、あの事故についてを聞きに来たと。


 いいよ、でもその前に少しばかり話をしようじゃないか。そう、あの事故が起こるまでのね。

 私はね、素行不良だったんだ。

 ああ、ひとつ勘違いしないでほしいのは周りに迷惑をかけるような素行不良じゃなくて、私自身を苦しめる悪い癖みたいなもんだ。


 あの事故の前日、私はガスを噴射しすぎたらしくてね。確かにいろいろと熱中はできた。熱中した寿司打でブラインドタッチも上達して、論文翻訳のスピードも右肩上がり。ただし、周りを見失った。私はまた、独りよがりな理論で突き進んでしまったんだ。

 その日の夜は、塾で進路説明会があって、これから先の事についてたくさんの話を聞いた。情報を手に入れた。そしてその脳みそがはち切れそうな程に私の「理想」が膨らんだ。

 醜くて、夢見がちで、私が迷う時の悪い癖。

 崇高な理想は、時に人を苦しめる。私は怠惰な自分を、客観的に見つめながら分かりつつも、方向を間違えたがむしゃらな「努力」を盾にしながら何も踏み出せずにいたんだ。


 そして、今日。

 暖かい家族の空気感を肌で感じながら、そして私が歩みを止めていることをひしひしと感じながら、通学路を歩いていたとき。


 びちゃ


 初めは一滴


 びちびちびちびち……


 そして、雨の様に。


 けれど、その雨は白く、濁っていた。


 きゅいーっ、きゅいーっ


 白濁したそれに戸惑いながら、どこか他人事のように空を見上げれば、嘲るように鳥たちが空を舞っているのが見える。


 ……え、これ、鳥の糞?


 ……え?


 ……、ちょっと待って。……え?


 脳が事実を否定する。しかしズボンの裾にはくっきりと白い水玉模様が。



 つまりは、そうだ。私は、どうしてか……と言っても天罰のようなタイミングで鳥の糞に降られたんだ。しかも真上からじゃなく人一人分も離れていない私のそばに。どばどばと爆撃の様に。


 もう堅苦しいのはやめにしよう。ああ、いいとも。今の私は気持ちがいい。笑ってやれ、むしろ、笑ってほしい。


 ただ一つ言えることは、善行には善を、暴走には制裁が下るということ。


 鳥にさえ笑われて、自分の悩みも何もかも、阿呆らしくなった。そんな一日。

 明日はどんな日になるのかな、でもとりあえず今日は、おやすみなさい。

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