3/5:もどかしさもまた、霧中の偶像
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午前の出来事
・探求の講演会がありました。「問いの立て方」なるものを学外の人がzoomで講演してくださったのですが、……後半は面白かったです。前半はちょっと意識が、ね、意識が飛びそうでした。
午後の出来事
・ふっ、ふっ、ふっ。QAPF図をノートの写し切りましたよ。これ、明日何しようかな。そういえば誕生石って増えたんですね、数年前に。3月の誕生石ってアクアマリンだけだと思っていたらもう2種類ありました。
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午前の出来事
・英単語テスト最終回が終わりました。最後は合格しておいてくれよ……!(1点足りませんでした……何でよぉ)
午後の出来事
・やることを見つける、というか研究に関係あって正しい情報を見つけるのが難しいです。……というよりも自分で必要だと思う補助資料がもう無くなってしまったのでしょうか? なんだか言い訳のために発表用補助資料を作っているみたいで気持ちが悪いです。
とりあえず明日は頑張ります。
<もどかしさもまた、霧中の偶像>
う~ん。
私はタブレットに映した脱水と発泡に関する図を写しながら、シャーペンのおしりをこめかみに押し付けてうんうんと唸ってみる。
下を向けばいつもの黒テーブル、前を見れば数日前から黒板に書かれた豚の解剖の説明書き。なんてことはない、今はただの部活中。
なのに何でだろう、全然部活をやっている感じがしない。
かりかりとノートに図が書かれていくときのあの高揚感も、目次に資料名を書き足すときの達成感も、あまり感じない。
分かっては、いる。
この資料、正直必要かと言われればそうではないのだ。確かに無いよりはあった方がいい。けれども今までの発表で質問されたものでもなければ、先輩のノートで説明を見るまでこれが必要だという意識すら頭になかったもの。
けれど、そうだよ。無いよりはあった方がいいじゃないか。それで、何が悪いんだ。何かしたいんだ、私は。来年度下級生が入ってくるこの瞬間で、不要の烙印を押されたくないだけなんだ。
けれど私は、器用じゃないから。
必要がなかろうとも何の予備知識もない状態じゃあつらいだろう、分析結果が返ってくるまで必要のない論文の翻訳よりも、何か必要なものがあるはずだ。
自分に言い聞かせるための言い訳すら、どこか弱弱しい。
分かっては、いるんだ。
こんなの、すべきことをできていないから、部の助けになるどころかむしろどこかでは逆効果なんだってことも。
さらり、私の前で何かが崩れ落ちるような音がする。
ああ、嗚呼。
さらり、今日進めた分の補助資料が醜く映る。
なんでこんなもの、書いているんだろう。
なんで論文を訳さずにこんな生産性もないことを書いているんだろう。
なんでこの時間をスケジューリングしなかったんだろう。
なんで、やる気が起きないんだろう。
きっと、
楽しかったんだ。補助資料を作るのが。
楽しかったんだ。新しく知識が増えていくのが。
……好きなのに。
これは、違う。楽しく、ない。
私は英語というたかが文字列一つに負けているというの?
やだね。
さあっと、大きくついたため息とともに視界が少しずつ冴えていく。
ああ、嗚呼。
分かった、やっと。
このもどかしささえ、罪悪感を打ち消すための霧中の偶像だったんだ。
たまには霧に包まれて、目的と欲望が逆転してしまう、そんな一日。
明日はどんな日になるのかな、でもとりあえず今日は、おやすみなさい。
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