1 day ④
1対1のデートが終わり、夜になった。参加者たちはリゾート風のテラスに集まり、焚き火を囲んで語り合っていた。火の揺らめきが、彼らの気持ちを映し出しているようだった。
「デート、楽しかった?」
さくらがみんなに問いかけると、「楽しかった!」「新しい一面を見れた感じ」と、それぞれが口々に感想を言い合った。
真央も啓介とのデートを思い出しながら、「緊張したけど、話しやすかった」と素直に答えた。啓介が「俺も、真央とは自然に話せたな」と笑顔で言うと、周りから「おー!」と冷やかしの声が上がった。
そんな和やかな雰囲気の中、司会者がやってきて次のルールを発表した。
「今から1時間、フリータイムです!この時間は自由に動いてOK。気になる人と積極的に話してみてください!」
参加者たちの表情が一気に引き締まる。ここからが、本当の勝負だ――。
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フリータイムが始まると、すぐに動き出したのはさくらと翔太郎だった。
「翔太郎、一緒に話そ!」
「お、待ってた!」
二人は自然と距離を縮め、海辺の方へと歩いていった。翔太郎は明るく振る舞いながらも、どこか真剣な表情をしていた。
「さくらは、今日のデート楽しかった?」
「うん!水族館って久しぶりだったし、翔太郎といると楽しい!」
「そっか、ならよかった!」
翔太郎は笑顔を見せながらも、何かを考えているようだった。
「…俺さ、最初からさくらのこと気になってる。」
その言葉に、さくらの表情が一瞬強張った。
「ほんと?」
「うん。でも、さくらってわかりにくいから、俺のことどう思ってるのか気になる。」
さくらは少し考えてから、「翔太郎はすごく話しやすいし、一緒にいて楽しいよ」と答えた。
その答えが、"恋愛的に好き" なのか、それとも "友達として好き" なのか——翔太郎にはまだ判断がつかなかった。
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一方、真央はテラスで一人、海を眺めていた。
(さっきのデート、楽しかったな…。でも、これからどうすればいいんだろう。)
自分の気持ちがまだはっきりしない。啓介は優しくて話しやすい。でも、それだけで "好き" なのかと聞かれると、まだわからなかった。
その時、足音が聞こえた。振り向くと、蒼空が立っていた。
「ここにいたんだ。」
「あ、うん…。」
蒼空は隣に座ると、少しの沈黙の後、口を開いた。
「今日のデート、どうだった?」
「楽しかったよ。啓介くんが優しくて、安心できた。」
真央がそう答えると、蒼空は少し目を細めた。
「…そっか。」
「そらくんは?美琴ちゃんとのデート、どうだった?」
「まあ…悪くはなかった。でも、俺はもっと素で話せる相手がいいかなって思った。」
「ふーん…。」
真央は何気なく返事をしたつもりだった。でも、蒼空の隣にいると、なぜか少しだけ胸がざわつく。
(この気持ちは、なんだろう。)
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その頃、カエデと貴之も二人で話していた。
「今日のデート、楽しかったよ!」
カエデが笑顔で言うと、貴之は少し照れたように「俺も…」と小さく頷いた。
「貴之くんって、最初は静かな人かなって思ったけど、話してみると優しいよね。」
「そんなことないよ。」
「でも、カエデはすごいよね。初対面の人ともすぐ仲良くなれるし。」
「んー、でもね、好きな人に対しては結構不器用かも?」
カエデは意味深に微笑んだ。貴之はその言葉の意味を考えながら、「そっか…」と静かに答えた。
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一方、リュウヤと梨々香も二人で歩いていた。
「さっきのアクセサリー作り、意外と楽しかったな!」
「うん、私も。」
「俺、結構器用だから、何か作るの得意なんだよね。」
「…そうなんだ。」
梨々香は少しだけリュウヤを意識し始めていた。明るくておちゃらけてるけど、意外としっかりしているところがある。
「リュウヤくんは、誰が気になってるの?」
突然の質問に、リュウヤは少し驚いたが、笑いながら「それは秘密!」と答えた。
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フリータイムが終わり、全員が再び集合した。
「そろそろ、2日目の朝が来るね。」
「明日はペア行動か…誰と組めるんだろう?」
期待と不安が入り混じる中、それぞれの心はまだ揺れていた。
特に真央は、蒼空と話したことで、自分の気持ちがさらにわからなくなっていた。
(私は、啓介くんのことが好き?それとも…)
そして、蒼空もまた、真央のことを考えていた。
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