1 day ②



自己紹介と食事を終えた翌日、ついに最初のデートが発表された。


「今日の午前中はグループデートです!みんなで海に行って楽しんでください!」


司会者の言葉に、参加者たちは歓声を上げた。爽やかな夏の日差しの下、波の音が心地よく響くビーチへ向かう。


ビーチに到着すると、男子たちは自然と上着を脱ぎ、ラフな服装になった。その中でも、蒼空の引き締まった体に、女子たちは思わず目を奪われる。


「そら、めっちゃスタイルいいね!」

カエデが明るく言うと、さくらも「ほんと!意外と筋肉あるんだね!」と笑う。


蒼空は少し照れくさそうに「いや、部活で鍛えてただけ」と軽く流したが、そのさりげない態度がさらに魅力を増していた。


一方、真央は波打ち際でそっと足を海につけながら、周りの様子を見ていた。みんなが楽しそうに笑い合う中、どこか自分だけが浮いているような気がした。


「海、好きなの?」


ふいに声をかけられて振り向くと、そこには啓介が立っていた。


「うん、なんか落ち着くから。」


「わかるよ。俺もこういう静かな雰囲気、嫌いじゃない。」


そう言って、啓介は真央の隣に座った。


「でも、せっかくのグループデートだし、楽しもう?」


「…うん。」


啓介の優しい言葉に、真央は少しずつ緊張をほぐしていった。


その後、ビーチバレーが始まり、男女混合でチームを作ることに。くじ引きの結果、真央は蒼空、翔太郎、梨々香と同じチームになった。


「真央ちゃん、運動得意?」翔太郎が笑顔で聞く。


「うーん、普通くらいかな?」


「じゃあ、俺がフォローするから安心して!」


翔太郎の明るい声に、真央は思わず笑みをこぼした。


試合が始まると、男子たちは本気モード。蒼空はクールにスマッシュを決め、翔太郎は俊敏に動いてボールを拾う。その姿に、女子たちは「かっこいい!」と盛り上がった。


試合が終わると、みんなで座ってジュースを飲みながら休憩することに。


「そらくん、すごかったね!」さくらが嬉しそうに話しかける。


「いや、普通だよ。」


「照れてる?」


「別に。」


さくらと蒼空のやり取りを見て、真央は少し胸がざわついた。なぜか、蒼空のことが気になり始めている自分に気づいた。


午後は1対1のデートがあると発表され、男子たちは誰を指名するのか選ぶことに。


「それじゃあ、最初のデート相手を決めます!」


ドキドキしながら、真央はその瞬間を待った。

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