第8話

「で?なんでウチに転校してきたの?

ウチ不良だらけだし、それに、、、」


葵はさっきの質問を改めて私にしてきて、

何かを言いかけ、悲しそうに下を向き、立ち止まった。


「それ、タケちゃんからも、瀬乃先生からも聞か

れたな〜

そんなにこの学校に転校生が来るのは珍しい

の?」


私がわりと元気に葵に質問返しすると、びっくりした顔をして固まってしまった。


「私がこの学校に転校してきたのは、

にぃにと龍くんの通ってた高校に通いたかった

からだよ?」


と私が笑顔で葵に返すと、

葵は私の手首を掴み、引っ張りグングンと歩き出す。


「葵?どうしたの?」


と言う私の質問に返答はなく、その代わりに凄くやるせない顔をしていた。


私はどこに行くのかも分からず、ただ葵について行くと、1つの教室の前で止まり扉を開け入って行く。


私が入ったのを確認すると素早く締め、、、


ドンッ


と、壁ドンをされた。


か、壁ドン!?


と私が心の中で驚いていると、今まで下に向いていた葵が顔を上げ、泣きそうな顔をしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る