第9話

「なんで、、、」


と今にも泣きそうな顔で、消えそうな震える声で聞いてきたので、

「ん〜?」

と聞き返し、葵の頭を優しく撫でた。


「瑠璃から連絡が無くなって、心配してたら

急に転校してきて、こんなに痩せてて、、、

でも元気な感じ出てくるし」


「ごめんね〜」


泣いて話す瑠璃の頭を撫でながら、私はと言うとゆる〜く謝った。


「なんでそんな感じなのっ!?

苦しかったら苦しいって言ってよ!

辛かったら辛いって言ってよ!

無理に、、、笑わないで。。。」


そう言いながら葵は下を向き膝からゆっくり崩れ落ち、

ペタリと床にお姫様座りの体制になった。


そんな葵を見て私もかがみ、もう一度葵の頭を撫でた。


「葵は私のために泣いてくれるんだね。

ありがとう。」


私がそう言うと葵が私を見てきたので微笑んだ。


葵は中学の時からそうだった。

1年生から3年間、奇跡的にずっと同じクラスで、ずっと一緒にいた。


私のために泣いたり、怒ったりしてくれて、

一緒に笑ってくれるとっても純粋で優しい友達。


もう泣かせたくないな〜なんて思ってたのに、

私はまた葵を泣かせてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る