プレッシャーに弱かった少年時代のその後の話。
逢坂 純(おうさかあつし)
殺しても死なないメンタルになりました。
少年時代こそ、よくグシャリと心が折れて、駄目になってしまっていたのですが、
今の僕は親に何を言われても知人や友人から何を言われても、鉄のメンタルでいることができるような歳月を送ってきました。
統合失調症は脳の病気です。
脳のフィルターが破れてしまって、そこから必要のない情報がドバーッと入って来てしまい、頭の中が混乱する精神障がいです。
しかし、それでも心とは無関係ではありません。
この世の中から消えてしまいたくなるように思う時も、自分の先の見えない将来を悲観して鬱々となってしまうことも、統合失調症患者にはあるのです。
僕にもそんな経験がありました。
僕の経験には頭の中で「むかつくー!」とか、「ざまーみろ!」などという幻聴が聴こえることがありました。
それは僕の姉に言わせると「その声はあんたの頭の中だけにしか聴こえない幻聴なんだよ」と言います。
それが分かっていても、僕にはその声は事実としか受け止められないのです。
本当に誰かが僕のことを悪く言っているように聴こえるのです。
以前はそういう時には、僕は姉に幻聴の内容を逐一、LINEで報告するのです。
そのたびに姉は仕事終わりに休みたいだろうに、僕にそれは「幻聴」だよ、と返信をしてくれるのです。
迷惑な顔一つせずにです。
僕の父親は、僕が30代の頃に家に引きこもっていた時分、僕への障害理解があまりありませんでした。
それでも福祉の専門学校へ行っていた姉は、父に「この本読みなさい」と一喝して統合失調症の読本を手渡しました。
始めは渋っていた父でしたが、姉と母の再三の言葉に参ったようで、その本を手に取り読み始めました。
そうして父は僕への障害理解を示してくれるようになりました。
そして父は僕のために市から畑を借りて、僕に外に出るようにと畑仕事を勧めました。
僕はその時、外に出られるような気分ではなく(外に出かけると風の音が僕の噂話を拾ってきて、症状が悪化する)、父と一緒に畑仕事などできる状態ではなかったのです。
今は父はひとりで畑仕事を楽しんでいます。
そして野菜を買わなくてもいいほどにまで、育てています。
僕がやらなくてはいけなかったことを、父は楽しんでやっています。
だから父にも母にも姉にも、今はとても感謝しています。
何のプレッシャーも抱えることなく、ストレスフリーな生活を送れることを家族に感謝しています。
今の僕は同じ統合失調症の当事者の友人や支援者の方、家族の方などの力を借りて過ごしています。
人並みな幸せは少ないかも知れませんが、おおらかに気持ちを持って毎日を過ごしています。
それは幸せというものなのかも知れません。
プレッシャーに弱かった少年時代のその後の話。 逢坂 純(おうさかあつし) @ousaka0808
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