センスとはどうすれば身につくのだろうか?
僕はそんな事を考えてしまいました。
生きてゆく上でこのセンスというものが、多大な影響を及ぼします。単純にお洒落だとかの意味ではなく、生存するセンス。
人間は漠然と常に「解」を求めます。それは裏返せば「不安」を生み出すセンスを持つからです。自分と言う存在に向かうこのセンスは誰しもが、各々の形を持っており、他者が介入するのは非常に難しいものです。
その悩み方は、その在り方に多く依存します。
在り方というのは周囲との距離・依存度と考えていいでしょう。
さて、本作ですが、その様な生存するセンスを問うものです。
僕は鮮やかなエンディングと共に、この物語の余韻を大切にしました。
生きる事、その「不安」「煩わしさ」そして「解」。
ここに何を見出すか……。
お勧め致します。
「あたしたち、ご自愛ください」、このタイトルの秀逸なセンスに脱帽しつつ……。
皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)
タイトルだけ見たら「???」かもしれない。
けれど、読み終えてみればまさにタイトル通りのお話である。
人は誰だって、感情という厄介なものに心を支配され、それを自分で使いこなしながら生きている。
感情というものは、外からの刺激にすこぶる弱く、なかなか思うように使いこなせない。
翻弄され、かき乱され、それでも時間は止まってくれない。
子供の頃のように庇護してもらうこともできない大人は、ただひたすらに足掻きながら進むしかないのが現状だ。
このお話は、きっと読む人にとって、美しくそこに聳える富士山であり、すべてを飲み込んでくれるブラックホールであり、心と体をほんわかと温めてくれるミルクティーになるだろう。
とんでもなく素晴らしい作品であると、宣言すると共に、レビュー一番乗りできた優越感に浸りたい。