第3話 ゴウキ
マイからラインがあった。
スノーから王子と婚約するから、大学時代のサークル仲間でパーティを企画してほしい。
と頼まれたらしい。
寝耳に水だ。
「おい王子、お前スノーと婚約するの?」
「なんの冗談だ?
あと、俺が王子って呼ばれるのめちゃくちゃ嫌ってること
知ってるよね?」
「ごめんごめん」
「とにかくお前も知ってる通りありえないから」
「だけどさマイは、自分が幹事とかしたくないから、かたっぱしからラインしてるみたいだぜ。
誤解解かなくていいの?」
「うーん。
嫌に決まってるじゃん。
けどさ、そんな企画引き受けるやついるかな?」
「女子は、いないな。
でもまだ騙されてる男はいるからな」
「男でそんなのの幹事するやついるかな?」
「スノーってさ。
誰かがピンチっていうか辛い出来事があって、サークルの行事に参加できない。
ってグループラインを入れた時、一番早くその人が喜ぶような返しを入れれるんだよね」
「そうなんだ」
「そっかお前、グループラインなんて絶対入らないよな。
俺、最初のうち感動してさ、使われてる言葉を真似しようかな?
って思っちゃったよ。
今考えると馬鹿だな」
「お前は、優しいからな」
「いやいや。でもさ気付いたんだよね。
あいつ、人の不幸が嬉しいからさ。
俺らが相手の気持ち考えて、なんて言えば良いのか躊躇してるとき、すんごい綺麗な言葉かけられるのよ」
「ああ。わかるわ」
「お前、その顔の美しさで随分苦労してるから、人間観察してるもんな」
「特に女の子はね。怖いよ。
なんにもしてないのに、手紙受け取らなかっただけで極悪人扱いだよ」
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