第50話 にらみ合い
西校舎の屋上からその状況を見守るものが三人。
サタンとビルデとブブは複雑な気持ちだった。その大きな要因としては天谷神二の存在が大きい。犯罪者の命すらも尊く扱い、正義感あふれるあの少年の存在が。
ビルデは中庭から前方にある東校舎の屋上に視線を移動させる。そこには人影が一つあった。その黒子はこちらを向いている。
「やっぱり全部あいつが……」
ビルデの威圧的な視線がそいつに届いたかは定かではない。だが彼の感情は読み取ったのだろう。本当の首謀者たる神は不敵な笑みを浮かべて、その場から姿を消した。
ビルデはフェンスをつかみ八つ当たり的に人外な握力を行使し、フェンスの形を崩れさせる。
さっきまでの三本の指とは違い、五本の指が付いた悪魔のような右手で。
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