第5話 サタンとビルデ
一方、サタンとビルデは住所が書かれたメモ帳を片手に闇蔵高校を探していた。しかし、人間界の地理に疎い悪魔にはそれがどこをさしているのか全く分からなかった。
「ねぇ、何でその女の家に直接行かないの?」
「大門鈴鹿は女子高生です。今この時間はその闇蔵高校にいるはずです」
「で、迷ったと……」
ビルデはきまりが悪くなったのか目をそらす。
「……仕方ありません。飛んで上空から探すしかありませんね。まさか人間界がここまで地形が複雑に作られていたと……。テロ対策もしっかりとされているようですね」
「いや、単に僕たちが勉強不足だっただけなんじゃ……」
「とにかく、空から探せばすぐに見つかるんで行きますよ」
そう言うとビルデは単純な脚力だけで上空五十メートルまで飛び上がった。最高点に達するとビルデは背中から黒い羽を生やし、それを羽ばたかせそこにとどまる。するとビルデは上から学校と思しき建物を探し始めた。
その様子をサタンは下から見守っていた。
「ビルデは何かにつけて完璧主義だなー。いやにプライドも高い。ちょっとは誰かに頼るってことも覚えればいいのに」
そう呟いてサタンもビルデに続き上空に羽ばたいていった。
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