第3話 エンダァァ〜イヤァァァ〜!!
その日の夜。洗濯すると穴が広がってしまうので件のセーターを縫っていた。夕飯の仕度は月に一度の某チキン屋チェーンのとりの日パックだったので、野菜ジュースを用意するだけで良かったのだ。ちなみに二月はなんかの記念で普段は二十八日にしか売られない「とりの日パック」が二月限定で毎日販売だそうな。
値上げの影響でかなり減らされたが、それでもお得なので興味ある人は買ってみるといいです。以外と「とりの日パック」は知られてないので。
チクチクと前の二か所を縫って広げてチェックしてみた。
げっ! 袖にも虫食い穴がある! 裾にもあるよ!
そこも補修して、今度こそと見たらまだあった。深呼吸して落ち着いてから改めて数えたら八か所も穴が空いていた。
さすがにそんなに縫い跡だらけのセーターはバレバレである。そして気づくまでの数時間はそんな穴だらけの服を着ていた。
何よりそこまで奴らが発生している。
リアルに叫ぶとご近所迷惑なので、心の中でタイトルの叫び声をあげたのであった。この元ネタは映画「ボディガード」の主題歌のサビである。そして、これは処分することにして、週末までの間に他の被害を防ぐための餌食になってもらうことにした。
なんだっけ、中世ごろまでのどっかの遊牧民は川を渡る時に一番弱いか、年取った家畜を渡らせてピラニアの餌食になってもらっている間に他の群れと共に渡るというエピソードみたいだ。
次に二次被害を防ぐため平日夜であったが洗濯カゴのウール製下着を洗って干し、カゴに入れっぱなしにしてあったウール入り服は防虫剤入りの引き出しに入れる筆者であった。
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