第5話
高校最後の夏。
アキとナツキも含めて、クラスの奴等とこの河原で集まった。
蒸し暑い熱帯夜だった。
花火を買って持ち寄って、アルコールは飲んでいなかったものの馬鹿騒ぎをしていた。
「きゃー、アキちゃん危ないよー!!」
「ほら、ナツキも持って持って!」
「小池は危ないから」
あの頃はまだナツキと付き合う前だったな。
止めたのにも関わらず、アキはナツキに花火を持たせた。
「こうして、手に持って」
「え、あ、うん……」
「火を付けてー」
「うん」
「上に、投げる!!」
「え、え、え?」
「……ナツキ!早く離して!!」
危なっかしーなぁ、なんて隣で思っていた矢先の出来事だった。
「あつっ……」
ナツキが持っていたロケット花火を離さなくて、そのまま火花が発射された。
「小池、大丈夫か?ったく、アキ、小池に謝れよ!」
「ナツキ、ごめん……」
「大丈夫だよ、大袈裟にしちゃってごめん」
その後、パトカーが来たんだっけな。
慌てて皆バラバラに逃げて、ナツキと茂みの中に隠れた。
「火傷するわ、警察くるわで散々だったな……」
"悪いな、アキのせいで"そう言葉を続けようとした時、
「でも、私楽しかったよ!夜に家抜け出したのもはじめてだったし…………」
ナツキが柔らかな笑顔を見せる。
ちょっと、距離が近いな…。
「ハルくんもありがとう」
その時のナツキの顔が可愛くて、一瞬だけ触れる程度のキスをした。
結局、小さな田舎町だけにすぐにどこの高校かバレて通報され、先生と親にも怒られて……。本当にこれは今になってもトラウマだ。
「……」
「あんた何思い出してんの?」
アキの声にハッと現実に戻ると、気持ち悪い位のニヤニヤ顔で返される。
「あたしが、あの花火の日のこと何も知らないと思ってるの?」
「は、はぁ?」
「彼女じゃないのにキスとか無いわー」
「や、やめろ!!」
「どんだけ自信家なんだよ、ひゃはは」
こいつには筒抜けだったのか。俺の行動とか考えてたことはお見通しだったんだ。
一気に恥ずかしくなる。
「いやー、青くさい思い出だなー!」
「うるせー」
俺の背中をバンバン叩きまくるアキを見て、本当にコイツは変わらないなとあきれてしまう。
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