第6話 オーギャストの情報網

「光の当たり方が微妙に不自然だな……あれはきっと、タッチベルの“レンズ”を試しているに違いない。」


オーギャストは市場の喧騒に紛れながら、ふと足を止めてそう呟いた。身なりはごく普通の旅の商人を装っているが、その瞳には鋭い観察力が宿っている。彼が見つめる先には、街角で“宣教師”らしき人物が持ち歩くタッチベルがあった。かつては単なる通信や祝福の道具と宣伝されていたそれが、今や「不気味なカメラ機能を備えているらしい」と噂され始めている。しかも、そのカメラが魂を抜き取るかもしれない――あくまで一部ではそんな都市伝説じみた話になっているが、オーギャストはそれを“あり得ること”として捉えていた。


なぜなら、すでに革命軍にはいくつか不審な報告が寄せられていたのだ。タッチベルを携えた宣教師が、とある村を訪れて写真撮影めいた行為を行い、その後村人が集団で妙な言動を示すようになった。従順というより“無気力”で、まるで生気を失ったかのよう……。偶然かもしれないが、オーギャストはそこに“洗脳”が関与していると直感し、自ら各地を飛び回って調査を始めているのである。


彼に課せられた使命は、ただ一つ。**「タッチベルの正体や枢機卿リシュリューの計画をいち早く突き止め、革命軍へ情報を届けること」**。表立った戦闘を好まないオーギャストだが、その代わりに諜報活動と分析で仲間を支える役割を担っている。彼が構築する情報網こそ、革命軍が洗脳との戦いに備えるための“生命線”になるはずだった。


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## ■貴族や商人、教会関係者との接触


オーギャストの行動は、まるでスパイ映画に出てくるエージェントのようだと言っても過言ではない。もともと口調は柔らかく、物腰が丁寧なため、相手からは警戒されにくい。あえて敵対しそうな相手にも笑顔で近づき、あれこれ世間話を交わすうちに、相手の本音や裏事情を引き出す。必要があれば賄賂や脅しも辞さないが、基本的には“陽転”のアプローチ――つまり、相手の利益を匂わせて協力を取り付ける方針を好む。


たとえばある日のこと。オーギャストはとある地方の領主が開いた晩餐会に“交易商人”という肩書で招かれていた。領主や貴族、その友人としての商人たちが集う社交の場には、近頃話題のタッチベルを持ち歩く客もちらほらいる。オーギャストは控えめにワインを飲みながら、何食わぬ顔で近づき、こう切り出す。


「噂には聞きましたが、最近はタッチベルとやらが便利だそうですね。写真を撮れば絵画のように姿を残せるなんて、驚きですよ。」

すると相手は鼻を高くし、「そうだろう? まるで魔法のようだよ。カメラ機能ってやつでね、好きな場面を切り取れる。しかも信徒登録と称して、みんなに配布が進んでいるんだ。おかげで昔ながらの連絡手段なんて、時代遅れになりつつあるよ」と得意げに語る。その無邪気な様子を見るに、まだ洗脳まではされていないのかもしれない。ただ単に新しい技術に飛びついているだけの人々だ。


「へえ……でも、なんだかちょっと怖い噂も耳にしたんですが、本当ですかね。“写真を撮られると魂が抜き取られる”とか……。」

オーギャストがすっと“眉を寄せる素振り”を見せると、相手は「そんな非科学的な!」と声を立てて笑う。だが、彼の目にはごく一瞬、動揺がよぎった。オーギャストはその一瞬を見逃さない。そしてあくまでも“軽い冗談”のように話題を転がしつつ、相手の態度を探る。こうして相手の真意を探り出すのが、オーギャスト流の諜報術だ。


また別の日、オーギャストは都市の商人ギルドへ足を運ぶ。ここには教会関係者と取引する者、枢機卿リシュリューの噂を知る者など、多種多様な人脈が集まる。オーギャストはわざと商人たちに「新しい輸送手段や通信技術が出てきたら、ビジネスにどう影響すると思います?」と尋ね、タッチベルの広がりや教会の動向をそれとなく引き出す。商人は金の流れに敏感だ。ときには賄賂を渡してでも情報を仕入れる価値がある。「金になることにしか興味がない」と嘆きたくなる瞬間もあるが、それゆえに金で動くなら利用しやすい、とも言える。


ただし、こうして手に入れた情報には裏を取る必要がある。貴族や商人の言うことが誇張や虚偽である可能性も否定できない。そこでオーギャストは足で稼ぐ調査を怠らない。タッチベルを普及している宣教師の足取りや、洗脳が疑われる地域での不審な変化を丹念に追いかけ、断片的な事実をつなぎ合わせて、枢機卿リシュリューの洗脳計画の全容を浮かび上がらせようと試みるのだ。


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## ■洗脳兵に捕まらないための変装と暗号


革命軍はまだ“普通の市民”に大々的な支持を得ているわけではないし、むしろ反政府勢力として危険視されている面もある。だからこそ、オーギャストは自分の正体がバレないよう細心の注意を払う。前述のように商人を名乗ることもあれば、下層の労働者を装ってスラム街をうろつくこともある。貴族の屋敷に“家庭教師”のような肩書で入り込むことさえあり、切り替えの速さは見事だ。


「下手な変装より、堂々とした態度で『私はあなたの友人ですよ』と示す方が疑われにくい」――オーギャストがよく口にする言葉だが、その通り、彼のアプローチは常に自然体を装い、無理に隠れるよりも積極的に相手の懐へ入るスタイルを取る。もちろん、危険が迫れば素早く身を引く冷静さも持ち合わせている。


そして、集めた情報を仲間へ届ける際には、ChatOPTから教わった暗号理論を応用した“秘匿プロトコル”が欠かせない。たとえば、彼が持つメモ帳には一見すると日記や商品リストのような記述しかないが、特定の魔法符をかざすと、一部の文字が変色して別の文章を浮かび上がらせる仕組みを仕込んでいる。これはChatOPTが提案した“基本的な暗号化”と魔法文字の特性を組み合わせたもので、洗脳兵や教会関係者がうっかり拾ってもまず解読できないようになっている。


なお、タッチベルが普及しきってしまえば、逆にこの暗号も撮影されてしまう恐れがあるのでは――というリスクはある。だが、オーギャストはそこにも対策を講じた。要は“撮影した映像が魔法的に干渉されずに、そのまま暗号を再現できるか”が問題だが、魔法の符号と暗号理論を組み合わせた複雑な仕掛けにより、写真だけでは解読不能となるよう細工をしているのだ。全ては一度に撮影されるだけでは再現できず、立体的な視点や魔力的な視認が必要……等々、専門家でも頭を抱えるような工夫が凝らされている。


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## ■写真撮影めいた行為と“魂を抜き取る”噂


やがて、各地でタッチベルを持った宣教師が行う“写真撮影めいた行為”が急増する。表向きには「困っている人の姿を記録し、神の助けを乞う」という美談のように語られることが多い。しかしオーギャストは、この行動こそが洗脳計画の鍵ではないかと睨んでいた。被写体となった市民がその後、驚くほど従順かつ無表情になった例が散見されるのだ。


「本当にカメラが魂を抜き取っているのか……? それとも、魔法的な暗示がかけられる瞬間があるのか?」

オーギャストは自分のノートに仮説をいくつも書き連ね、可能性を整理する。ChatOPTにも「カメラを用いた洗脳の理論」を聞いてみたいところだが、表立って質問すれば逆に足がつく恐れがあるため、今は自粛している。

また、ChatOPTが仮に回答をくれたとしても、魔術と科学が交錯するこの世界では、単純に“科学的根拠”だけでは全てを説明しきれないかもしれない。何がどこまで解明できるかは、現場での検証次第というのがオーギャストの結論だった。


あるとき、オーギャストは危険を承知で宣教師たちの儀式に潜入し、隠し持った魔力検知道具で観察を試みた。すると、写真を撮られる瞬間、カメラのレンズがわずかに妖しい光を放ち、被写体の周囲で魔力の乱れが発生しているのを捉えたのだ。これは決定的証拠とは言い難いものの、“単なる写真撮影ではない”と示すには十分な事実だった。

もちろん、その場で「これは洗脳装置だ!」と騒げばオーギャストが連行されるだけで終わる。だから彼は姿を消すように退散し、あくまで情報を持ち帰ることを優先した。彼の存在は影のように誰にも悟られず、市場の雑踏へと紛れていく。


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## ■洗脳が広がる街と人々の変化


タッチベルのカメラ撮影が広まるにつれ、それまで穏やかだった街が少しずつ“無気力な人々”に覆われていく。朝早くから店を開いていたはずの商人が、ぼんやりと無表情で店先に立ち尽くしていたり、子どもが遊び場で騒いでいるかと思いきや突如ひどく静かになり、何かを呟きながら虚ろな目をしていたり……。オーギャストはこうした異変を目撃するたび、胸に冷たいものを感じる。


「間違いない。リシュリュー枢機卿はこのタッチベルを使って、国全体を支配しようとしているんだ……。」

そう確信していても、一般市民にとってタッチベルは“新しい便利道具”という認識が強く、まだ危機感を持っていない者が大半だ。さらに厄介なことに、すでに洗脳状態に陥った人々は革命軍を敵視し、オーギャストの活動を見つけると通報しかねない。ここで彼が捕まれば、革命軍の存在は一気に危うくなる。そうなれば、ドゥッガーニやジャンヌ、アルティたちの努力も水泡に帰す恐れがある。


そこで、オーギャストは情報を集める一方、身を守るための慎重な行動を取らざるを得ない。夜陰に乗じて連絡員と会い、暗号メッセージを受け渡す。昼間は“無害な旅人”を装い、洗脳が行われている地域を極力避けながら、少しでもヒントを拾おうとする。

もっとも、そんな綱渡りの日々がずっと続くわけではない。いずれ洗脳兵が大々的に街を巡回し始めたら、オーギャストが自由に動ける余地は激減する。ある意味で“今が最後のチャンス”とも言え、彼は一刻も早く決定的な証拠をつかみ、革命軍に報告する必要性を痛感していた。


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## ■妖精教皇バンシーの部下との接触


転機が訪れたのは、意外なところからだった。ある夜、オーギャストはとある酒場で情報交換をしようとしていた。そこに姿を見せたのは、一人の女性。華奢な体型で、顔を黒いベールで隠しているが、その雰囲気は只者ではない。彼女は周囲を警戒しながら、オーギャストに近づくと囁いた。


「……あなた、革命軍のオーギャストさんでしょう? 直接会うのは初めてですね。」

驚きと警戒を同時に抱えながら、オーギャストは相手の正体を探る。「僕を知っているということは……教会関係者ですか?」と問うと、彼女はうっすら微笑みを浮かべ、「バンシー・N・アティスール様の近しい侍女を務めている者です」と答えた。その名を聞いて、オーギャストは胸の奥がざわつく。妖精教皇バンシーは、枢機卿リシュリューに利用される立場にあるというのが革命軍の推測だが、はたして彼女の側に味方がいるとは思っていなかった。


「私たち教皇の側近の中にも、枢機卿のやり方に疑問を抱く者がいます。洗脳と呼ばれる行為で人々を従わせるなど、教皇様も本心では快く思っておられない……。ですが、リシュリュー枢機卿の力が強すぎて、逆らうこともできずにいるのです」

そう言って女性は、薄いメモのようなものをオーギャストへ手渡す。そこには怪しげな文様と、複数の数字の羅列が記されていた。一見意味不明だが、よく見るとこれはタッチベルや宣教師に関するスケジュールらしきものだった。どこでいつ儀式を行い、どのように信徒を撮影するのかの計画が断片的に書かれている。

「わずかな情報ですが、これが洗脳の全体像を掴む糸口になるかもしれません。私たちは教皇様が間違った道に引きずり込まれるのを防ぎたい……どうか、革命軍の力で枢機卿を止めてください。」


その言葉に、オーギャストは深々と頭を下げた。自分が追い求めていた“決定的な情報”の一端がここにあるかもしれない――そう確信する一方、妖精教皇バンシーもまたリシュリューの被害者なのだとすれば、革命軍としても無闇に敵対するわけにはいかないという気持ちが生まれた。洗脳計画の裏で、バンシーがどう利用されているのか。その真相はまだ分からないが、とにかくこの情報を持ち帰らなければ始まらない。


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## ■タッチベルの本格的洗脳計画を暴く


メモを受け取ったオーギャストは、そこに書かれた暗号めいた数字を、自分が携帯している暗号解読表と照合する。何しろ相手は教会の秘文字らしく、簡単には読めない仕掛けが施されているが、これはオーギャストが最も得意とする作業だ。

小さな宿の一室で深夜まで解析を続けた結果、彼はある事実を突き止める。**“枢機卿リシュリューは、妖精教皇のもとで『信徒名簿』を一元管理しつつ、各地のタッチベル宣教師に指示を出し、写真を撮られた市民を順次洗脳兵へと変えていく計画”**――これは、国の支配が完成するまで秘密裏に進められ、最終的には殿道城で大規模な式典を開き、反逆者を一掃する段取りなのではないか、という推測が成り立つ。


こうしてオーギャストは、革命軍の拠点へと戻る決断をする。以前から小出しに情報を送っていたが、今回のは“決定版”とも言える重要情報だ。万が一、道中で洗脳兵に捕まれば取り返しがつかないため、彼は複数のダミー手紙と暗号メモを用意し、本物は身体に密着させた小袋に入れて持ち運ぶことにした。旅路は長く危険だが、ここまで苦労して集めた情報を、ドゥッガーニやジャンヌ、アルティ、乱世ら仲間に渡すことで、革命軍が洗脳に対抗できるだけの手を打てるはずだ。


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## ■情報が届かなければ革命軍は負けていたかもしれない


オーギャストが背負う重圧は大きい。彼がこうして危険を冒しながら活動を続けなければ、革命軍は“タッチベルに洗脳機能がある”という確証すら掴めなかったかもしれない。いくらドゥッガーニが力を振るっても、ジャンヌやアルティがどんなに剣を握っても、敵の洗脳計画の全貌を知らなければ対策などできるわけがないからだ。

実際、枢機卿リシュリューの進める洗脳は巧妙だ。カメラによって人々の魂を吸い取るという大胆な手法を取りながらも、それがいかにも“新しい宗教儀式”のように飾られ、受け入れられやすい形で広められている。さらに、撮影された人々にすぐ変化が表れるわけではなく、じわじわと心を蝕むように支配していく――だからこそ、表立った混乱が起きにくい。一度に何百何千と被写体を捉えていけば、気がついたときには街全体が洗脳下にあるという事態も十分あり得る。

まさしく、これは戦場での正面衝突とは異なる、陰湿な情報戦であり、人心掌握の策略でもある。オーギャストが他の革命軍メンバーとは別の場所で、水面下のスパイ活動を強いられているのは、この“情報こそが最大の武器”だと知っているからだ。


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## ■クライマックス:報告と作戦立案へ


結局、オーギャストは幾度となく洗脳兵や宣教師の巡回をやり過ごし、命からがら革命軍の隠れ拠点へ帰還した。そこにはドゥッガーニやジャンヌ、あるいは乱世やアルティら中心メンバーが集まり、彼を出迎える。疲労困憊の彼に、ドゥッガーニは「情報収集はどうだった?」と端的に尋ね、ジャンヌとアルティは「大丈夫? ひどく憔悴してるわ」と心配げに声をかける。

オーギャストはすぐにその場で報告を始めようとするが、仲間たちは「まずは少し休め」と引き止める。だが、オーギャストは力なく首を横に振り、「時間がない。リシュリューは洗脳を本格化させる準備をほぼ整えている。バンシー教皇の部下の一部が協力を申し出てくれたが、いつバレるか分からない……。すぐに対策を打たなければ、国が完全に支配されてしまう」と告げる。

その言葉に、みなが険しい表情で目を見合わせる。タッチベルという装置がただの通信手段ではなく、“魂を抜き取るカメラ”として機能している可能性。日を追うごとに増える宣教師たち。洗脳によって従順化された市民。これらを止める手段は、武力だけでは足りない。何らかの方法で洗脳を解いたり、タッチベルを無力化したりする対策が必要になるだろう。

「ChatOPTに何とか協力を仰げないだろうか……?」

乱世がそう呟く。オーギャストは「もしかしたら、脳や意識の仕組みを解説してくれるかもしれない」とうなずきながらも、「ただし、相手もタッチベルにChatOPTの一部知識を取り込んでいる可能性があるから、下手に詳しい情報を明かすのも危険だ」と苦い顔をする。ここに来てもなお、情報共有のリスクが付きまとうのだ。


何にせよ、オーギャストが掴んだ“リシュリューの洗脳計画”に関する具体的なスケジュールや、宣教師たちの活動ルートは、革命軍にとって喉から手が出るほど欲しかった素材だ。これをベースに作戦立案を急げば、最悪の事態を未然に防げるかもしれない。オーギャストの影の奮闘がなければ、革命軍は洗脳という見えない脅威にまったく対抗できず、一気に飲み込まれていたに違いない。


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## ■余韻:スパイ活動を支える信念


オーギャストの裏方での奮闘は、表に出ることは滅多にない。一般市民はもちろん、革命軍の末端メンバーですら「そういえば、どこかで情報を集めてるらしい」程度の認識が多い。武力行使を好むドゥッガーニが目立つのとは対照的に、オーギャストは目立たぬところで血のにじむような努力をしてきた。その背景には、一貫した信念がある。**「理不尽な支配を排除するためには、事実を知らなければならない。知らずに戦うのは無謀だし、知らずに従うのは愚行だ」**――これが彼の信条だ。


だからこそ、彼は“人を救うために騙すこと”も、“反逆者扱いを避けるために偽装すること”も辞さない。仲間のために手を汚す覚悟があるのだ。彼が隠れ拠点でようやく寝床についたとき、ジャンヌやアルティは毛布をかけてやりながら、「よく戻ってきてくれた」と心から労をねぎらった。

しばしの休息を得たのち、オーギャストはすぐに起き出して地図を広げ、“タッチベル普及率が高い地域”を塗りつぶしていく。ドゥッガーニやジャンヌ、乱世らが横で見守る中、その地図上にはどんどん黒い斑点が増えていった。市街地や村落に大きく広がる黒い印は、まるで洗脳の影が国を覆いつつあることを象徴しているかのようだ。


「ここまで食い込んでいるのか……。早く手を打たなければ、もう取り返しがつかなくなる。」

オーギャストは深いため息をつきつつ、その瞳には微かな闘志が宿っていた。リシュリューの洗脳に立ち向かうには、情報が必須。その情報を集めるのが自分の役目だと。彼は拳を握りしめ、“これから先も隠密行動を続ける”覚悟を、改めて胸に刻み込む。


いずれ最終決戦が迫るとき、オーギャストの情報網が頼みの綱となるだろう。裏方としての彼の活躍がなければ、革命軍はまったく歯が立たぬまま洗脳の渦に巻き込まれていたかもしれない。だが、今はまだ荒波の序章。近いうちに、リシュリューが殿道城で行う式典に向けて、すべてが加速していく。そのときが来るまでに、オーギャストはどれほどの事実を暴き立て、仲間たちに届けられるのか。その答えこそが、革命の成否を分ける鍵になるのは間違いない。


(第6話・了)

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