第2話 スキル連発! 初期資金を稼ぎまくれ
少女を仲間にしたとはいえ、まだ彼女はボロボロの身体。
まずは服や靴を買ってやらないと。それに宿屋に泊まるお金や食事代、色々と出費がかさなる。
俺は再び【フリマ】を開き、莫大な利益を狙える転売商品を探し始めた。
「ええと……いきなり高額商品はまだ無理か。信用枠も3枚程度。もう少し小さめの品を色々と仕入れて、地道に利益を積み上げる方がいいかもな」
そこで目をつけたのが「魔獣素材セット」と「安めのポーション詰め合わせ」。
どちらも割と需要があるはずだ。
後払いで買い、村で売り、また買い、また売り……と回転させていけばゴールドを増やせる可能性がある。
◇
俺は少女を連れて村の広場へ行き、そこに店を出している行商人に話を持ちかける。
「すみません、ちょっと聞きたいんですが、魔獣素材とかポーションって需要ありますか? 僕、少し扱ってるんですけど」
「おや、まさかこんな辺鄙な村でそんな珍しいものを売るのかい? そりゃ需要はあるにはあるが、量にもよるだろうね。あんたどれだけ持ってるんだ?」
そう言われて俺は【フリマ】で「魔獣素材セット(中級)」と「傷薬ポーション5本セット」を購入。
光が収まった後、俺の手にはしっかりと袋に入った素材とポーション瓶が揃っている。
村人たちがどよめく中、行商人が目を丸くして袋の中を覗き込んだ。
「う、うわ……グリズリーの毛皮に狼の爪、これだけの種類をいきなり……しかも新鮮そうだ! ポーションもちゃんとラベルが付いている。品質も悪くないな」
「これなら……どうです? 相場より少し安めにお譲りしますよ?」
「おおお……買う、ぜひ買うよ。ここで仕入れて王都に持っていけば大儲けだ」
行商人は興奮気味にゴールド貨を出してきた。
提示された金額は合計でゴールド貨2枚程度。
俺が後払い枠で買った値段はゴールド貨1枚半ほどだから、差し引き0.5枚相当の利益。
しかも取引を行うたびに信用度が上がり、後払い枠も段々増えていく。これは美味しい。
「ありがたい。じゃあ、確定でお願いします」
「大丈夫? あんた、これらをどこから仕入れたんだ?」
「ちょっと秘密がありまして。詳しくは聞かないでください」
行商人は怪訝そうだったが、品質が良ければ問題なしという態度。
俺はすぐに決済をして取引完了。ゴールド貨2枚を手にし、さらに後払い枠がゴールド貨4枚相当まで増加したのを確認する。
「うし、これなら服や装備を買う余裕ができたな」
◇
奴隷少女を連れて宿屋に行き、まずは部屋を借りる。
続いて少女に服を買ってやらなきゃ。
俺はすぐ【フリマ】を開き、普通のワンピースや下着セットを注文。
サイズが分からないので適当に検索してみると、「自動調整機能付き」という便利アイテムが見つかった。
価格も銀貨10枚くらいだ。もちろん後払いでポチる。
すると少女の目の前に白い光が集まり、ふわっとしたワンピースが落ちてきた。
少女は驚きながらも服を抱きしめる。
「すごい……こんなきれいな服、初めて見ました……」
「すぐに着替えるといい。汚れた服は洗って……あ、いや、もう破けてるし捨てた方がいいか。新しい靴も用意しよう」
同様に【フリマ】で靴も購入し、少女に渡す。
宿の女将に頼んで風呂を用意してもらい、しばらくして少女がワンピースを着て出てきた姿は、だいぶ印象が変わっていた。
「どうかな……似合ってます……か?」
「うん、すごく似合ってるよ。よかった、サイズぴったりだね」
まだ奴隷の首輪は外せないが、これだけでもだいぶ人間らしい生活になりそうだ。
少女も少しだけ笑顔を見せてくれた。
◇
「そういえば、君の名前をまだ聞いてなかったね。俺はレンっていうんだけど」
宿の部屋で落ち着いてから、少女に尋ねた。すると彼女は少し緊張した面持ちで答える。
「私は……リューリ。そう呼ばれていました……」
「リューリか。いい名前だね。じゃあリューリ、これからは一緒に行動しよう。ここじゃ色々不便だろうから、もっと発展した町に行って大きく稼ぎたいんだ」
「私なんかで……大丈夫でしょうか」
「もちろん大丈夫。君は魔法の才能があるって聞いた。どんな魔法が使えるか、試してみたいところだけど……どう?」
リューリは恐る恐る手をかざしてみせる。するとほんの僅かに光の粒子が集まったが、すぐにかき消えてしまった。
「すみません……以前は少しだけ炎を出せたのですが、ここ最近は練習もできなくて、うまく出せなくなりました……」
「そっか。ま、今は焦らなくていいよ。体もまだ疲れているだろうし、明日からぼちぼち試してみよう」
とはいえ、魔法が使えたら戦闘にも役立つし、この世界で活動するには心強い。
リューリが本当に魔法を扱えるなら、【フリマ】で魔法触媒や教本を買ってあげれば成長が早まるかもしれない。
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