第2話

 街へと繰り出したフォンスとメルティが向かった先は冒険者ギルドであった。魔物の素材を買い取ってくれるのはここだけなのだ。

「すみませんカムネさん、これを買い取ってください」

「了解しました。今日も多いですね……」

 フォンスは魔物の毛皮などの素材をギルドの買取担当であるカムネに渡す。

 カムネはその素材を受け取ると、鑑定レンズで品質などを確認する。

 そして待つこと10分ほどで、銀貨3枚と銅貨60枚で素材と引き替える。

「全てF級の魔物でしたので値段としてはこれくらいになります」

 カムネはそう言うと、フォンスに銅貨や銀貨を渡してくれる。

 大体町民の一カ月に必要な生活費は銀貨5枚とされているので、そこそこ稼げている。


 そしてフォンスは稼いだお金を持って教会へ向かった。

 フォンスが教会に近づいた瞬間、慌てるように一人の修道女が出てきた。

 その修道女の髪は明るい茶髪で、桃色の瞳が美しいと男性に人気だ。

「フォンス様!今日のご用件は何でしょうか?」

「マリネ落ち着いてほしい。今日も少しだけだが寄付をしたくてな」

 フォンスはそう言いながら、懐から銀貨2枚を取り出して教会の前に置かれている箱に入れる。

「本当にありがとうございます」

 マリネはフォンスに何度も頭を下げて感謝をする。フォンスは魔物討伐で稼いだお金の一部をこの教会に寄付している。理由としてはこの教会が孤児院を開いており、そこで役立ててほしいという親切心であった。

 当初はマリネもフォンスの噂を信じていたので怖がっていたが、数カ月通うとここまで親し気に接するようになっていた。

「フォンス様、いつもありがとうございます。ご存じとは思いますが、多くの寄付をしていただいた方にはお礼としてこのロザリオをお渡しすることになっています」

「ありがとう。大切にする」

 フォンスの寄付額が一定以上となったため、ロザリオを貰うことが出来た。十字架の真ん中には小指の爪程の聖結晶がはめ込まれており、低級の死霊ならば消滅させることが出来る道具であった。

 フォンスはロザリオを胸ポケットに入れて、家へと帰っていった。


「ようフォンス!僕の攻撃を食らえ!」

 家に帰ったフォンスはいきなり攻撃をされた。

 ウノームによる攻撃であり、フォンスにしてみれば何も感じない程度の魔法だったが尻もちをついておく。

「弱っ!やっぱ僕とフォンスじゃ出来が違うな!」

 ウノームは自信満々に威張っているが、フォンスは気にせずに去っていく。

 ウノームが使用した魔法は低級風魔法のウィンドであった。ウノームの練度が低いので木の葉一枚すら飛ばせない風力だが、喧嘩をするのもフォンスからすれば馬鹿らしいので負けておくことにしている。

「ウノーム素晴らしいぞ!それに比べてフォンスは弱いな!やはり私の目は正しかった!」

 すぐに父親がウノームを褒めるとともにフォンスを馬鹿にするいつもの様子が繰り広げられている。

 フォンスはその様子に呆れながら屋敷に入っていくのであった。



 そんな出来事から5年が経ち、フォンスもウノームも15歳となった。

 この国では15歳の貴族と一部の平民は学園に通うことになっているので、フォンスも一応は貴族なので学園に通うことになった。

「うわっ!あれが……」

「見ちゃダメ!メイドを何人も痛めつけていたらしいわよ……」

 フォンスが学園に到着した時、周囲の人々は口々に陰口を言い始めた。

 この5年、フォンスはウノームが起こした悪事を肩代わりさせられていたので周囲からの評判は良くない。フォンス自身、悪評など興味が無かったので訂正もせず、訂正の機会になるパーティーにも誘われなかった。

「メルティ行くぞ」

「はいフォンス様」

 フォンスは自分を見てくる気持ち悪い視線を受けながら、メルティと共に学園の門をくぐっていった。

「ようフォンス!俺に挨拶なしとは舐めてるんだな?」

 そしてフォンスは会いたくない奴に会ってしまった。

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