第2話
約何年経ったのだろう。あの事件の後から、私は母に対して下手な質問をしなくなった。
結局貧乏の答えはもらえなかったけれど、そういう「困らせないようにしよう」というヤングケアラーじみた思考のもとで質問をやめたわけではない。
大人だって辛いのだから、辛くなるかもしれない質問を控えるようになったということだ。
あの日の出来事は、七年ほど経過したいまでも覚えているし、もちろん犯人を許すつもりも、傷が癒えたわけでもないのだが、少なくとも私が一気に成長するきっかけにはなったのだろう。
件の事件の直後、警察の方とも会話をする機会があって、とはいっても主に母が対応をしてくれたのだけれど、その場で引越すことを強く奨められたこともあり、私たち一家はあの街を離れ、母の母、つまりは祖母と同居するようになった。
祖母は絵に描いたようなおばあちゃんであり、引越しをしたその日から私たちに対して優しく、温かく接してくれて、だからこそ、私が子どもらしさというか、ある種の緊張感なしで会話することができる唯一の存在になったのは自然なことなのかもしれない。
オアシスなんて表現はすこし古めかしいだろうか。いずれにせよ、下手な質問がへったところで、私一人我慢しているわけではないということは、第三者から見ても理解できたことだと思う。
順風満帆というのは正しくなくても、少なからず普通の生活を送ることができていて、この高校三年間でおそらくは一生ものになるくらいの友達を得ることもできた。
「ごめんね!おまたせ」ふと駆け寄ってきたこの子もそのうちの一人、名前を雪歌という。
待ち合わせ、とはいっても彼女の通学路の途中に私の家があるだけなのだが、とにかく指定の時間より少しだけ遅れてしまったことを謝罪して、いつもよりどこかのびのびとした表情で私に「行こう?」と促す。
「まだあいさつもしてないのに、急ぎすぎだよ。」
「あ、そっか、ごめんね、こんな日に遅刻するなんて思ってなくって……おはよう葉月。」
葉月は私の名前であると同時に、八月を意味する。名前に雪が入り、冬を連想させる雪歌とは対照的で、だからこそ高校三年間で親しくなれた。
どういう理由か、まあ偶然にすぎないとは思うが、彼女とはクラスが離れたことは一度もなく、今日の様な特別な日も含め、毎日一緒に歩きながら談笑できるような仲だ。
「でもさ、楽しみだよね、修学旅行。」
いつものように他愛もない会話の途中で、雪歌は楽しげに言いだし、私も同意する。
「うん、卒業前だし。学校の外でのみんななんて想像もできないよ。それに、最後だしね。」
全国的にどうなのかはわからないが、我が校では修学旅行が三年生の三学期に行われる。
中には大学進学や進学の準備がある家庭だってあるとは思うが、本当に卒業寸前での行事なので、そういった事情での欠席者は発生したことがないらしい。
私も雪歌も成績は決して悪くなく、お互いひとり親家庭ということもあってか、就職が決まっていて、事前に行き先の情報収集するほどの余裕さえあり、今こうして学校へ向かう間も、ああでもないこでもないいった具合でおしゃべりがとまらず、旅先への期待感が増していく。
それがいつもよりも楽しく、いつにもまして軽い気持ちでできるのは、多分やらなくてはいけないことを済ませてしまったからなのだろう。
青春の一ページと言う言葉があるが、もしも青春を製本することができるなら、私はきっと今日のこの一場面を表紙に選ぶはずだ。
もちろん出発してから思い出になるであろう出来事も有力候補に違いないだろう。
ただ、それでも雪歌はとても大事な友人であるし、いってみるなら特別な存在で、楽しかったことはもちろん、苦悩や辛苦に遭遇したときには、お互いに力を貸しあった。
楽しさだけではなくて、苦しみや痛みがったからこそ選びたい。それに、今日以降はきっと楽しいことしかないのだろうから、むしろそのシーンはエピローグにぴったりだとも思う。
口にこそしないが、「ありがとう」という言葉を胸に秘めたまま、私たちは軽快愉快な会話を止まることなく繰り広げ、正門をくぐり、体育館へと上がり込んだ。
当然ながら体育館にいるのは三年生と、そこに関わりのある教員の方々ばかりで、全校集会などと比べると少ない人数に、いくばくかの寂寥感が漂っているように思える。
とはいえ、やはり印象的なのは皆が笑顔でそこにいることで、普段はあまり感情を表に出さない生徒、それから教員までもが笑みを浮かべているのを目の当たりにすると、僅かばかりでしかなかったこの感情は圧倒され、徐々に消失していく。
「二人ともこんな日でも一緒に登校してるのー?」「送ってもらえばよかったのに!」「まあでもあの二人だったらそうかなとは思ってたけどね。」こうして見知った顔の面々が茶化すように声をかけてくるとやはり楽しみたいと思うし、薄れ始めていた感情は跡形もなく消えていった。
雪歌と私が親しいことはクラスメイトは全員が知っていることだし、もっというなら、共学であるにも関わらず不純な噂がたったこともあるほどである。
如何せん例の一件から男性に不信感をもっている私からすると、なんとも複雑な気分にならなくもないことは、今のところ誰にも話していないし、この騒がしい友人たちが本気でないことだって知っているのだから、今後も話す必要はないはずだ。
私たち二人はごく自然に彼女達の輪に溶け込み、ちょうど登校ルートでしてきたような話や、それ以外の少々下世話なゴシップネタが溢れて、これまた品性に欠けた言い回しになるかもしれないが、なかなかどうして楽しくて仕方がない。
取りまとめ役である学年主任の教員が話をしている最中も、本当はよくないということを理解していながら、こっそりと会話を続けてしまい、そのスリルですらも楽しく感じる。
結局出発前の話なんてほとんど頭に入らなかったが、移動がバスとフェリーで完結する旅程なのだから、耳にタコができるほど聞かされてきたことばかりに決まっているだろう。
およそ15分そこらの説明が終われば、私たちは互いに荷物の忘れ物がないことを確認して、次々とバスに乗り込み、事前に決定した座席へと腰掛けていく。この時ばかりは雪歌とも離れることになるが、どうせ大した距離ではない。
私は、事件のことは濁しながらも、男性の近くに居られないことを母経由で学校側へと伝達しており、自身が座す最高部の座席を中心に女子生徒の塊ができあがっていた。
他のクラスの生徒はうらやましがっていたが、この騒々しさを管理しなくてはいけない先生の立場で考えてみると、どうしたってこの一角は注意領域であり、その証拠とばかりに副担任が斜め前方通路側に座っている。の、だが、これはこれで危害が加えられる心配は激減するし、何より副担任の先生とは打ち解けているので、会話を封じ込められるわけでもなく、悪いことばかりではなさそうだ。
程なくしてバスは出発し、ある程度見慣れた景色の中を駆け抜けていく。その景色自体は別に平凡なものだが、非日常的な組み合わせはそれさえもワクワクとした気持ちを掻き立てる。
体感時間は感情によって左右されるともいうが、きっとそれは正しい。でなければ港までの2時間が簡単に終わったように感じるわけがない。
下手をすると苦手な科目の授業時間より短く感じている可能性だってあって、第一の目的地に辿り着き、一時休憩を挟むアナウンスがあった時には、周辺一同で「そんなに時間経ってたっけ、授業とかわらなくない?」と言い合ったほどだ。
しかし現実にはやはり時間は経過していて、だからこそ到着したフェリーを長々と待つこともなく乗り込める。
なにかの催しとブッキングしてしまったのだろうか。多くの一般客と一学年が入り混じると、やはりどうしても混沌とした現場が完成してしまい、制服や身につけたものを目印にして、ついていくしかなく、時折見知らぬ人の荷物がぶつかったり、私の荷物が誰かにぶつかり落ち着かない。
出入り口がボトルネックになることは珍しくなく、こういった場合は流れに身を任せるほかないのだが、すぐそこは海だと思うとなかなかのスリルがあって、ところどころで小さな悲鳴というか不満を漏らす愚痴のような声が聞こえてくる。
しかしそれはまだ旅の騒乱の序の口であったようで、割り当てられてた客室までたどりつくと、いままでに比べ勝るとも劣らないほどの喧騒が待ち構えていた。
部屋自体は4人で一部屋で、一人あたりの話し声や笑い声は大きくなくとも、私達学生という、比較的騒がしい集団の部屋が集中していることが関係し、区画全体がうるさいのだろう。
私としてはここも公共の場であるという認識だが、それでも一般客の混ざる出入り口やロビー?と全く同じように過ごすかというと、そういうわけではない。やはりどちらかといえば力を抜くことができる空間で、それなりに談笑していたいとも思う。
道すがら見た叱責を受ける不真面目な男子生徒たちは別だが、多くは悪意もないし、理性なく騒ぎ立てているわけではないのだ。このあたりは教員諸氏等々も理解してくれているらしく、見回りがてら一言二言は残すが、会話の全てを禁止するような内容は一切なかった。
班ごとの部屋割りなので、やはりそのキャラクターは偏る。私たちはまったく無口というわけでもないが壮絶に騒がしいというわけでもなく、またバス内よりもその絶対数が少ないので、大きな労力を割く必要がなったのかもしれない。
その証拠に何部屋か移動した先では、同じ教員が厳しい表情で指導をしている。
「やっぱり、普段の行いがいいと自由を満喫できるんだね。」
廊下から入室してきた雪歌も同意見なのか、どこかイタズラっぽい笑顔でよその部屋の方をみながら、ボストンバッグの中身を漁り、何かを取り出す。
4人部屋で二段ベッドなので、丁度あらゆる方向から彼女を取り囲むような感じになっていて、雪歌は若干たじろぎながらも「お菓子だよ、お菓子。買い込んできたの。」と笑う。
その両手には袋がぶら下げられていて、なるほど、相当な量を持参してきたらしい。
備え付けのテーブルには明らかに乗り切れないので、雪歌はそのまま自分のベッドへお菓子の軍団を広げ、上にいる二人にも降りてきて選ぶように促した。
すると私の頭上から何か、否、誰かが飛び降りる。風船のように軽やかな身のこなしを見せ、肩ほどまでの髪を跳ねさせたのは小春といい、バスケ部に所属していたスポーツ少女だ。
次に向かいから降りてきた私と同じポニーテールの彼女は吹奏楽部の元部長で弥琴という。
実はこの班、四人全員が季節に関わった名前を持っており、私と雪歌は以前説明した通りだが、小春は陰暦の十月を示していてぎりぎり秋といえるし、弥琴は三月に生まれたため、弥生から一字を抜粋しているそうだ。ちなみに、感覚的に三月はまだ冬な気もするけれど、初春といえば初春だから問題ないということにしている。
結局のところ、色々説明をしてみたけれど、言い出したのは雪歌で、多分仲良くなるための口実だったのだろう。
四人揃うと1つの客室は思っていたよりも狭く、必然的に身を寄せ合うようにして一段目のベッドに二人ずつ腰掛けるような形になった。
波の影響で少し揺れることを除外すれば、テスト期間や半日授業の時、ファミレスで駄弁っていたときそのもので、変な懐かしさとおかしさが込み上げてくる。
気分としては当然わるいものではなく、それぞれ手にしているお菓子もばらばらだけど、むしろそれが私たちらしさを象徴しているようで、正しい言い方かはわからないが、嬉しい。
しかしどうしたものだろう。本当にくだらない話なのに、会話が止まらない。
何がおかしいのかわからないようなやり取りも思わず笑ってしまうし、それは私だけではなく、他の三人も同じような状況で、もしかするとお酒が入るとこんな感じなのだろうか。
未成年だし、経験もないけれど、母と祖母がなんだかにぎやかに笑っていたことが思い出され、こういう感じになれるのであれば、お酒もなかなかいいものなのではないかと思う。
あくまで想像の話であって、実際のところあと二年はわからないのだが、それくらい四人での会話が愉快で愉快で仕方がないのだ。
おそらくフェリーはすでに外洋に出ていて、それなりに不規則かつ大きめの揺れがにじり寄ってくる。はじめはそれらに気を取られることもあったものの、私たちは数分後にはまたおしゃべりじゃれあいに戻っており、それが中断されたのは、船外の風景がオレンジ色に変わった頃、他班の呼びかけがあってようやくのことだった。
呼びかけというのは、集団生活にありがちな点呼というもののためで、班長である雪歌だけが連行されるようにして部屋を出ていく。
彼女は天真爛漫というか、それを言えば私以外の三人は揃ってそうなってしまうのだけれど、その中でも少し抜けた存在で、この班のムードメーカー的な要素を担っている。
だから、彼女が抜けると少しだけ部屋の雰囲気が落ち着き、炭酸飲料からガスが抜けるようにして、肉体的な意味でがなく、心理的に脱力したような感じに変化していった。
そこそこ良質な客室なので、船のエンジンの音などは遮断され、少しばかりの静寂が心地いい。弥琴も小春もそれは同様な様子で、声のトーンは落ち着き、どちらかと言えば和むような雰囲気だと思って間違いないだろう。それゆえに、であるからこそ、「それでさ」と区切った切り出し方をする小春の一言が他の二人の動きを制止することになり、すこし真面目な話なのかと察することができたのかもしれない。言いにくそうに、あるいは言葉を選ぶように彼女の口が動く。
「うちら、結局バラバラになっちゃうんだよね。」
なんとも唐突ではあるが、正しいことだ。私は「うん」と肯定する他なく、弥琴もまた同じように曖昧に頷いている。「さみしくなるね」と小さく呟く彼女は、ああそうか。彼女だけは地元を離れて進学する道を選んでおり、さみしさといものをより強烈に実感しているのか。
そうなると、私たちは下手に慰めることもできなくて、掛けるべき言葉を探すほかない。
『それでも一緒だよ』では薄っぺらい気がする。『でも、新しい友達ができるかも』なんて、友達でなくなってしまうかのような印象を受け取りかねない。時間にするときっと数秒なのだろうけれど、私は悩む。だけど結局答えを出すことはできなくて、先に声をかけたのは弥琴だった。
「でもさ、新しい友達もできるし、それに、友達じゃなくなるわけじゃないじゃん。ケータイもあるから電話だってできるしさ、そんなに寂しいこと言わないでよ〜。」
私は素直にすごいな、と思う。答えを返してあげるだけではなくて、空気が沈み込む前におふざけをいれたことで、全然ちがった印象になっている。
一方の小春もそれを受け入れて「ねえごめんって」などと笑顔を浮かべた。
生徒の中には恋仲に発展している人もいて、小春もそのうちの一人で、私にとっては無縁な話ではあるものの、多分そういう複雑な関係も、また彼女自身の寂しさを掻き立てていたのだと思う。
恋愛相談という名目の愚痴会はそれこそ腐るほど見てきたし、進学後にできた友人では詳しいことはわからず、頼り甲斐という面では旧友には劣ることも想像できる。
けれど、雪歌はすごく積極的だから、なんだか無茶にも思えるような行動を起こしそうな気がするし、なんだったら小春の告白計画なんて銘打って、様々なことをしてきたという前科がある。
タイミング的にここで持ち込んできたのは、おそらくそういう思慮あってのことだ。
仲間はずれとか冷たいことをしているのではなくて、私と弥琴のことも考えたうえでの言動で、それに気が付くと、私は感心せずにはいられない。
全体の比率としてみると一瞬で過ぎさったこの出来事は、ここから先でも私の心に残り続ける。程なくして雪歌が点呼から戻り、すぐに食事が始まった。
流石にメニューはきまっているし、咀嚼中に喋ることには気が引けて、ほとんど無言だ。
窓の外はすでに暗い紫色で、夕陽が沈みきってしまいそうで、いよいよ夜が来ると思うと、疲労などはものともしないかの如く気分が高揚する。
二、三十分で食事を終え、それぞれシャワーを済ませてしまうと、部屋には各々の石鹸の匂いが充満し、普段はわからない一面が露わとなって、さらに非日常を演出しているようだ。
時間が時間なだけに、この一画に足を踏み入れたときとは打って変わって静かな時間が流れていく。さすがに寝ているというわけではなくて、疲れと道徳心、それから教員見回りが開始されていることが主な要因だろう。嗅ぎなれない香りに慣れ、独特の雰囲気にも馴染んできた頃、私たちは早々にベッドに潜り込む。お腹も満たされたし、わざわざ座っている必要もないのが行動の根拠だ。酔い防止か、少し硬めなマットレスに身を任せると、準備完了といったところか。
「海の上だと、さすがに大手でも圏外になるんだね。」携帯電話を片手に雪歌がそんなことを言い始めて、一同は驚きにも近い感動に唸る。こうして誰かが話しはじめると止まらなくなるのが女子高生の特徴といってもいいだろうか。「これじゃ彼氏と連絡とれないなあ」なんていうのは小春で、同じ船内にはいるものの、今後のことも踏まえ、できるだけ時間を共有したいと感じているに違いない。私だって、別に人の心がないわけではないので、その程度の想像はできる。
この四人の中で交際相手がいるのは彼女だけなので、雪歌や弥琴が冷やかすような物言いをしているのも、私同様想像してみたことを冗談として運用しているだけだ。
「あたしたちより男の方が大事だっていうの!?」とか「うちは都合のいい相手ってわけ〜?」とか、はたから聞く分には思わず笑ってしまうような茶番劇。
私はうまく入り込むことはできないが、それでもそれなりに楽しいと感じているし、「夜這いに行っちゃえばいいんじゃない?」などテキトーなことは言える。役割分担というわけではないのだけれど、私以外の三人は言葉数と勢いで盛り上がり、私は時折スパイスを加えるような立ち位置にいて、三人がそれに反応を示してくれるから、絶妙な塩梅で今のような関係性になっているのだろう。
こんなことを思っている間にも連想ゲームは悪化していき、「逆に向こうから来たらどうする?うちら気まずすぎでしょ。」「でもちょっとよくない?なんかロマンみたいな!」
こういった具合で、異様というか、少々妄想じみた世界が展開されていく。
疎外感といわけではないが、ああやって共有することができるのは少し羨ましい。揺れ動く船内で、私の心は安らかな嫉妬心と満足感を得て、噛み締めるように瞼を閉じた。
どこか優しい暗闇の中、徐々に意識が曖昧になっていき、皆の声を区別することを諦めた頃、誰かはわからないけれど、唐突にも「この修学旅行中に告白するよ。」という宣言が聞こえた。
『うまくいくといいね』
心地よい眠気を振り払うのが嫌で、声に出すことはなかったけれど、私はその誰かの宣言が成立することを祈りたいと思う。告白結果のことではなく、宣言できるといいね、という意味でだ。
三年間とは短いようで長く、長いようで短いくせに、とても濃密かつ重厚な期間。
ひとつのことに執着すれば失敗するかもしれなくて、躊躇しても成功しないかもしれない。
勝敗、白黒、有無、成否、どれをとっても中途半端に終わってしまうくらいだったら、はっきり完結してしまった方がスッキリするはずだ。
だから私は三人のうちの一人へ、心のうちで声をかけ、まもなく意識を手放した。
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