第8回戦『耳掻きプレイ(ASMR)ですかっ?! 中』

「次は綾ちゃんなんだわん……!バトンタッチなんだわん……!」

「了解です……!お題は『めっちゃめっちゃ、甘やかしてくれるんだけど、実は、ダウナー系で愛が重たい、ヤンデレな後輩』で良いですよね?!」

「うんっ……!そうそう!」


ーーーー


私はマネキン君に対して、向き合いつつ、喋り出す。

「せんぱーいっっ!おはようございます!私が誰だか、そーしーてーここが、どこだかー、分かります……?……ふむ、ふむ、ふむふむ、ふむふむふむふ、むむむむー……。えっ、分から、ない、っと……?あぁー。えっ、えーっとですね……。まずは、この場所は、私の部屋です!で、あなたは、私の恋人です!えっ。なんで、私の部屋にセンパイが居るのかっーて……?あぁっー。まだ、センパイは起きた、ばっかりだから、頭がボッーとして回ってないとか……ですかねぇー……?」

私は一旦、スゥ……と間を置いてから、再び話し出す。

「私の家にセンパイを、呼んでー、私が睡眠剤でセンパイを眠らせて……。ふふふっ。眠っている間にー、センパイの事を、縛って、センパイの頭は私の太ももの上にのせたんです!えっ。何で、そんなコト、したのか、って?ふふっ。センパイ。何で、だと思います……?チッチッチッチッチッチッ……。チッチッチッチッチッチッ……。チッチッチッチッチッチッ……。ざーんねん、時間切れです。でも、センパイにはトクベツに教えてあげます。それはですねー、私、先日、センパイのネットの検索履歴を、盗み見て……いえ。たまたま、たまたまー……。ですよ?見えてしまったんです、センパイの検索履歴が!そしたら、動画の検索履歴に『【ASMR】耳掻きプレイ・癒されたい人向けっ!昇天系甘々シュチュエーションボイス(ー糖度200000000%限界突破ー ※当社比)』とかが、いっぱい、いっーーぱい、出てくるじゃないですか……!!えっ。『それがどうしたんだ?耳掻きプレイ・シュチュエーションボイスを聞いていた事の何が問題なんだって……?』……。そうですね。別に耳掻きプレイのシュチュエーションボイスを聞いていた事自体を責めたりはしませんし、嫉妬とかはしてなくもなくもなくもなくもなくもなくもなくもないですよっ……?!ですがっ……!これを機に、私もセンパイに対して、耳掻きプレイを実行しようと思った次第なんです……!そう。なので、より確実に耳掻きプレイを実行出来る様に、先輩を縛っちゃいました……!えっ?耳掻きプレイの為に、わざわざ、縛ったのか……って?まぁ、耳掻きプレイの為っていうのももちろん、あるんですけど……。恋人のセンパイの身体を縛るのとかー、恋人であるセンパイを睡眠薬で眠らせるとかー、ずっと、ずっと、ずっーと、やってみたいなっーてっ思っていまして……!えっ?!『耳掻きプレイのASMRは聞くけれど、耳掻き自体は親以外の他人にはやってもらった事がない……?!』へぇー、そうだったんですね……。知りませんでした……。でも……それにしても、良いコト、聞いちゃいましたっっ……!私は、センパイの耳掻きプレイのハジメテ初体験を貰えるんですねっ……!」

そして、マネキン君を、膝に置きつつ、言った。

「じゃあ……。センパイ!!早速、二人の共同作業ならぬ、耳掻きプレイ、と洒落しゃれ込みましょうかっ!!」

そう言って、私は耳掻き棒を手に取った。

「ふふっ。まずは、右耳の外側から……。どうですかー?センパイ。きもち……いい、ですか……?あっ!センパイ!痛かったら、ちゃーんと、言って下さいねー……?」

耳の外側の輪郭を確かめる様に、耳輪しりんから耳たぶを、ちょっとずつお掃除していく。そして、部屋に耳掻きのカリカリカリカリ……という音が響く。

「じゃあ、奥をカリカリカリカリ……といきたいところだけど、その前に……」

『ふぅー』と息を、耳にふきかける。

「えへへっ……。突然だから、ビックリ、しちゃいました……?ふふっ。驚いちゃって、軽めに顔、赤くしっちゃってるの……すごく、すっごく、すーーっごく、かわいいですっ……!ふふふっ。センパイの顔がもっと、もっと、もーっと、もーーっと、かわいい反応を出来る様にー、もっと、もーっと、もっと、もっーと、もっーーと、イタズラして、イジメて、センパイのこと、ゾクゾクさせちゃって、頬を赤色に染めさせちゃって、可愛くなる様に、いっぱいいいぱっーい、たくさんたくさん、ご奉仕してあげますからねぇ……。そして、センパイの耳が、より可愛く、よりざっこざっこで、よっわよっわの耳になるように……。そして、SMARの動画なんかが、無くたって大丈夫になれる様に……。えっ?あとあと、やっぱり、SMARの動画に嫉妬してたんじゃ、怒ってたんじゃないかっ、てっー?ふふっ。さっきの言葉は、もちろん、ウソです。もちろん、SMARの動画にだって、嫉妬してますよ?だから……先輩の耳がSMARの動画を求めなくてとも、私だけで、生きられるように、いつだって、私を求めてしまうーーーーーーそんな、よわよわでざっこざっこな耳にしてあげる計画なんですっ……!恋人であるセンパイのことが好きで好きで、好きで好きで堪らないから……!!だから、これはね、『私のセンパイへの愛の証明』なんだよ?えへへへっ。『私』だけで十分に満足できるようにセンパイの耳をよっわよっわっよっわのざっこざっこのざぁーっこに調教して、あげる、ね……?えっ。今、聞き捨てならないセリフが聞こえたって……?んっー?何のことかなー?ほらっー……」

そう言って、私はマネキン君の耳に『ふぅー』ではなく……今度は、頭をなでなでした。

「えっ?センパイー。何で、ちょっと残念そうな顔をするんですか……?あっ!もしかしてー、耳に『はぁぁっー』って息を吹きかけられる、とでも思いました?え?あっ……。もしかしてー、期待、してしまいましたー……?それか、息、吹きかけて『ふーっ』って、されたかった、とかー……?……わおっ?!センパイが、あからさまに、顔を逸らした?!どうやら図星ぽっい?!んー、どうしましょうー?センパイの態度によっては考えなくも無いかも……ですー。んー。そうですねー。センパイが犬になって、『ワン』って、言ってくれたら、考えてあげなくも無いかも……!ふふっ……」

そう言いつつ、クスクス笑いながら、私は続ける。

「それともー、ホントに、私の犬になっちゃいます……?私がセンパイ耳が『ふーふー』する度に、『よしよし、なでなで』する度に、頬が熱くなって、腰を震わせちゃうんだー。そしたらー、センパイは嬉しそうに、『たらーっ』て、よだれを垂らして、甘い吐息と声を漏らして、ビックって身体を震わせてー……。ふふふっ。想像するだけでー……たぎちゃって興奮しちゃいますねっ……!まぁ、安心して下さい……。ふふふふふっ。んですから……」

そう言って、私は耳の奥の掃除をし始める。

「じゃあ、センパイ。右耳の奥、やっていきますね……?」

暫くの間、耳の奥を耳掻き棒でカリカリカリ……する。

「じゃあ、耳掻き棒の、白くてー、ふわふわのー、梵天ぼんてんをしましょうか。ふふふっ……。その前に……」

『ふぅっー……』『はぁぁっーー……』と息を吹きかけつつ、私が言った。

「どうです?。きもち……良いでしょう?念願の『耳ふぅー』ですよー?ふふふっ。センパイ、頬、にしちゃって、めっちゃくちゃっかわいいですね?そんなに顔まっかっかにさせちゃって……。センパイの耳は、よわっよわっでざこっざこっの耳ですもんねー??」

『ふぅっー……』『はぁぁっーー……』『はぁっ……』と何度も何度も、息を吹きかけつつ、言った。

「あはははっ。こんなんで、頬まっかっかにさせちゃてっ、身体震わせちゃって……先輩、カワイイですー!あぁっー。食べちゃいたいくらい……にはっ。ではー、そろそろ、さっき、言った通りー、梵天ぼんてんやっていきますね」

梵天で、でマネキン君の耳を掃除していく。コスコスコスコス……という耳掻きの音が響く。

「ふふっ、右耳終わりましたよー……。あっ。最後に、仕上げとして……」

そう言いつつ、私はマネキン君の耳に対して『ふぅー』『はぁぁっーー……』『はぁっ』と息を吹きかけた。


ーーーー


「では、左耳キレイにしていきましょうか……。あっ。あとあと言い忘れてはいたんですが……、先輩眠たくなっちゃったら、遠慮なく、寝て下さいねー?」

そう言いつつ、マネキン君を反対側の向きに移動させる。

「センパイ……。ますは、外側をカリカリカリカリ……していきますね……?」

右耳の外側の輪郭を確かめる様に爪でツツと軽く掻きつつ、耳輪しりんから耳たぶにかけてを、ちょっとずつ、丁寧に丁寧に、掃除していく。そして、部屋に耳掻きのカリカリカリカリ……という音が響く。

「じゃあ、奥も……と行きたいトコロですが……!その前に……!先輩への愛をもっと、もっーと、もっーーーーと、囁いておかないと!!せんぱっい、大好きですよっ!好きです!好きなんですよっ!好きなんです!アナタのことが……!アナタのことを色んな意味で食べちゃいたい位、大好きなんですよっ……!!」

そして、私は尚も、マネキン君の耳元で更に愛を囁き続ける。

「好きだし、好きだし、大好きだし、大大大大大ー大好きですしー……、愛してますしー。って、こう、いっぱい、いっーぱい、耳元で『センパイへの愛』を囁いちゃって、『私の声が、愛が、無いとダメ』って、センパイにちょっとずつ、思わせる作戦なんですよ?えへへへっ。だから、いっぱい、いっぱい、いーーっぱいセンパイに『すき』を、『愛』を、囁くね!すき、好き、好き、大好き、しゅきぃ、しゅきぃぃ、センパイ、しゅきぃぃっっ!あー!もう、好き!!大好き!しゅきっっ!!しゅきぃぃぃ!!愛している、愛してるんだよ……!?」


「あっー。そろそろ良い加減、左側の奥の方の、耳掻きしちゃいましょっかー……。あっ。見えずらいから、ちょっと近くに寄りますねー。ふふっ、センパイ。近づいたら、顔が明らかに赤くなっちゃいましたね……。カワイイですっ……。ふふふっ。隠してるつもりでも、とっーても分かりやすいですよ……!?私が居ないと、ダメですもんねー。えっ。愛を囁いてくれのも、良いけど、私にデレッデレッに甘やかして欲しいっ?!えぇー。もー。センパイったら、仕方ないですねー」

そうして、奥の方をカリカリカリカリ……と耳掻きしていく。

「よしよし、よーし、よしー。なでなで、なでなでー。なでなで、よしよしーっ。頭、なでなでー。良い子ー良い子ー。よーし、よーし。良い子、良い子ー。うん!センパイは今週1週間、本当に良く頑張りました……!そして、センパイは私の『なでなでよしよし』によって、来週への英気を養うんです……!それに、私はセンパイのコトなら、ぜーんぶ、何から何まで、知ってますから……。センパイが食堂で食べてたメニューの内容から、いつ、誰とどこに行っていたのかー、とか、センパイの下着の色は何色だったのかー、とか、何から何まで、全部、ぜーんぶ、知ってるんですよ?センパイの努力も秘密も何もかも……。あらあら。センパイ、何をそんなに青ざめた顔をして、身体をガタガタ振るわせて……一体全体どうしたと言うのです?ふふふっ。大丈夫ですよ。何も怖くないですからー、ねっ……?だから、そんなに怖がらないで下さいね?ほーら。良い子、良い子ー。なでなで、なでなーで。よーし、よーーし、よし、よしよしよしよしよーし……」

そう言いつつ、再度、マネキン君の頭を優しく甘やかすかの様に、なでなでする。

「先輩、安心してください。センパイはもう、逃げられません。身体も拘束してますし……。えへへへっ。もう、どこにだって、逃げれないんですよー……?……アハッ。というコトはー……。あとは、もう……?……ふぅ。それにしても、少し、喋り過ぎました……。耳掻きで、奥の方、していきましょうか……」

私は撫で撫で、ヨシヨシを一旦止めて、耳掻きを再開する。そして、耳の奥の方を掃除していく。

「あっ。奥の方、見え辛いので、少し、近寄りますねー……。ふふっ。更に顔あかくなっちゃいましたね……」

しばらくの間、耳掻き棒のコスコスコスコス……という音が響く。

「仕上げはーこの真っ白でー、フワフワのー、梵天ぼんてんでやっていきますねっ!じゃあ、やっていきますよー?」

梵天をマネキン君の耳に差し込み、掃除していく。

そう言って、さらに畳み掛ける様に、マネキン君の耳に『はぁぁっー』と息を吹きかける。

「顔、更に、赤くなちゃった、ね……。でもね、良いんですよ……?私の前でなら、どんどん、どんどん、弱いトコロ見せちゃって良いんだよ……?」

そして、私は更に、言葉を続けた。

「ふふっ……。実はね、私がセンパイに盛った薬はね、睡眠薬だけじゃないんだー。……記憶を混濁させる薬もね、盛ったんだよ……?そして、私が彼女だとか、ぜーんぶ、ぜんぶ、真っ赤な嘘……。でもね、センパイはもう、私に堕ちちゃってるから逃げられないんだ……。だって、ほらっ、こうやって耳の穴に……『ふぅっー』って、やっただけなのに……」

そう言いつつ、マネキン君の左耳に『ふぅー』って耳に息を吹きかけた。

「センパイの身体……。耳元で、『ふぅーっ』てしただけで、腰、『ビクッ』ってなっちゃって、反応させちゃってるもんね?しかも、あまーくて、よわっよわっな声、にとろとろのその表情まで、あげちゃって、頬、赤くしちゃって……。ふふふっ。かわいいね。『ふぅーっ』てしてるだけなのに……ねぇっ?えっ。だって、もう、逃げられない……もんね?後は堕ちるだけだもんね?というか、もう既に、堕ちてるもんね?センパイの耳、よわっよわのざっこざっこ……だもんね?ほら、『ワン』って言いなよ?私が管理してあげる、からさぁー……」

私は耳元で、更に言葉を続ける。

「……あははっ。でも、ホントにセンパイの耳ってば、よっわよっわのざっこざっこですよねぇー。ホントに『ワン』って言っちゃうなんて……。あはははっ。でも、これからも、たっくさん、たくさん、ご主人様の私が、躾けてあげなくちゃ……。でも、これで、安心だなぁっー……。あ。安心してね?これからは、いっぱいいっぱい、躾けて……。ふふふっ。それこそー、睡眠も、生活も、ぜーんぶ、全部、、管理してあげますから……」


ーーーー


「綾ちゃん、ナイスなんだにゃん!『甘やかしてくれるんだけど、実は、ダウナー系の愛が重たい、ヤンデレな後輩』みたいだったにゃん!」

「うん!本当に凄かったんだわん……!」

「うんうん!ホンマに凄かったで!綾ちゃん!!」

「でー。雪乃ー。耳掻きASMR一巡したけどどうするのにゃん?次に進むでいいのにゃん?」

「うん!ええよ!それでー」

「次の王様は……」

「えっと、ボクなんだわん!お題はお互いに耳掻きする……なのだわんっ!」




                                (続く)

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