第6回戦『愛を囁き、囁き、囁かれ 下』(愛してるゲームですかっ?!)

「次の王様は……。ボクだわん!お題は……『愛してるゲーム』だわん!ルールは簡単で『愛してる』って、言い合って先に照れた方が負けだワン!後、台詞も行動も、何やってもOKだわん!」

あ、あ、あ、あ、愛してるゲームですとぉぉっっ?!ラブラブカップルがやるっていう、噂に名高い、あのゲームですかぁぁっっ?!脳内百合変換余裕なんだけどっ⁈えっ?!言い出しっぺの南先輩ありがとう!!

「雪乃、負けないのにゃ!勝負なのにゃ!」

「ええ。ウチだって、負けませんから……。ねぇ、小春セ・ン・パ・イ……?ふふっ、◯ッキーゲームの時みたいに勝ってみせますから」

斯くして、『愛している』ゲームのスタートの合図コングは鳴らされた!さぁ、先行は小春先輩だぁぁっっ!

「ゆ、雪乃。あ、愛してるなの……にゃぁ」

そう、小春先輩と雪乃先輩の身長差と共に体格差も相まって、小春が下から雪乃を見上げる形になる。世に言うーーーーーー上目遣いというヤツ、である。いやいや、ちょっと待て待て?!初手から、上目遣いだとっ……?!えっ、先輩方、レベル高過ぎではっ……?!

「ええ、小春先輩。ウチも愛してますよ」

対する雪乃先輩も余裕の返しだ!!

それから少しして、雪乃先輩が小春先輩の後ろからギュッ、と小春先輩に抱きつき、耳に台詞を掛ける様に言った。

「……き。好き。大好き。ウチ、小春センパイ、の事愛してます……よ」

「……ツッ、ゆ、雪乃?!私も大好き……にゃ、の!愛してる、にゃの……!」

そう言ってふいに、雪乃先輩は小春先輩の首筋を吸いだしながら、言った。

「小春先輩、おいひぃ……。良い匂いするし……しゅき……!大好き、愛してる……」

「は、はぁぅっ?!雪乃、にゃ、にゃ、にゃ、にゃに?!……にゃ、にゃんにゃのにゃん?!わ、私も愛してるけど……!」

そう言う、小春先輩の顔は真ッ赤に染まっている。詰まり、小春先輩の負けである。

「あっ……しゅみません、こはるしぇんぱぁーぃ。先輩の小動物感がすごくて、小春先輩が美味しそうで、つい……」

小春先輩の首を吸いつつ、雪乃先輩が答える。

「もー!『つい』じゃ無いですよー!雪乃たらっ……!ハァ……」

「後、悔しがってんの、めっちゃ、可愛いっス……!」

「ハァ……。また、雪乃に負けちゃった……のにゃん。気を取り直して、綾ちゃん!次、やるのにゃん!」

「は、はい!」

そう言って、第二回戦がスタートする。私が、小春先輩の手を取りつつ、言う。

「小春先輩、愛してます」

「私も愛してるのにゃ」

「ふふっ、愛してますよ、小春先輩のこと」

そして、私の手を握り返しながら、小春先輩が言った。

「ううんっ!私の方が、綾ちゃんの事、愛してるのにゃ……!」

「いえいえ、私の方が……!」

「ううん、私の方が……!」

「いえいえ……!」

「ううんっ……!」

こんな感じの問答を幾らか繰り返した後、遂に、小春先輩よりも早く私の方が赤面してしまう。

「綾ちゃん、アウトだわん!」

「くぅっ、負けてしまいました……」

「2人共、良い勝負だったわん!最後は、雪乃VS綾ちゃんだわん!」

「じゃあ、やろうか……綾ちゃん。」

「は、はひ……」

遂、雪乃先輩の前だと、緊張して変な返事の仕方になってしまう。

「なんなんー、その返事。別にそんな固くならんでもええのに」

くすくす、と笑いながら雪乃先輩にそんな事を言われてしまう。

「うう、だって……」

「だったら……綾ちゃん。ちゃんとこっち向いて?視線、逸らさないで?」

そう言って、雪乃先輩は私の顎に触れたと思ったら、私の顎をクイッと上げた。謂わゆる、世間一般で言う、アレだ。ーーーーーー顎クイという、ヤツである。

「……綾奈、愛してる」

「ふ、ふえぁっ?!ゆ、雪乃先輩……!わ、私も、愛してます……!」

そのまま、顔にグッと雪乃先輩が顔が近づいた、と思ったら、いつしか、頬に柔らかいモノが触れていた。

「ゆ、雪乃先輩……?!」

そうして、頬にキスされたと思った、つかの間、私と雪乃先輩との体格差も相まって、ギュっ、と包まれる様にハグされながら今度は耳元で囁かれる。

「綾奈……ホントに好きだよ。愛してる」

「は、はいっ!わ、私も……!あ、愛してますから!雪乃先輩の事、だ、誰よりもっ……!」

ギュッ、と雪乃先輩の事をハグし返しながら、そんなことを雪乃先輩に囁く。

そして、大事そうにギュッと、雪乃先輩にもう一度、ハグされて、囁かれた。

「綾奈。もう、一生、離さへん!愛してる!」

「……だって。私だって、一生離れませんっ……!愛してますから!」

「キャー!熱愛発覚だにゃん……!明日の新聞の一面を飾る大スクープにゃん!」

そう言って、小春先輩が写真をパシャパシャと連写しまくる。

「わわ!小春先輩、写真連写は、恥ずかしいです……」

「ごめんなのにゃー」

「ヒュー!お二人さん、なかなかやってくれるんだわん……!見せつけてくれるんだわん!」

「み、南先輩までっ?!べ、別に、『熱愛』とかじゃ……?!ね。ねぇ、雪乃先輩?!」

「ああ、そうやな?!なぁ、綾ちゃん?!い、今のはゲームの都合上、しゃーなし、というか……!」

そんな、私と雪乃先輩の焦る声が響き渡る中、南先輩が言う。

「さてさて、今回、一番負けたのは……今回は、綾ちゃんなのだわん……!」

「あっ……」

「さぁ、綾ちゃん……。罰ゲームお仕置きの時間、といこっか!」

そう、雪乃先輩が、(実際に悪魔のコスプレをしている事も有り余計にそう見えるのだろうが、)悪魔の様な笑みを浮かべて言った。

              

                                                                  (続く)      


               ☆次回 お仕置き回ーー!!お楽しみにーー!!

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