概要
その大名行列が来たら決して頭を上げてはいけない。
大名行列(だいみょうぎょうれつ)は、大名が公用のために随員を引き連れて外出する際に取る行列のこと。参勤交代における江戸と領地との往来が典型的な形態である。その様相は、各大名家の石高や格によって幕府が定めた規定があり、また大名家独自の慣習も見られた。(wikiより)
小説家になろうにも投稿しています。
小説家になろうにも投稿しています。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「敬う」ことを忘れた時代のホラー
江戸時代の習慣である大名行列が現代に甦ったホラーである。
頭を下げれば問題ないが、頭を上げて通り過ぎる「何か」を見た者は頭を失って死ぬ。
要するに不敬の罪で罰せられて死ぬのだが、現代は「敬う」ことを忘れた時代だから死者は増え続ける。
前半は文明批評的なホラーだが、後半になって恐怖の質は急速に個人的なものになる。
西洋にメメント・モリという言葉がある。
「死を思え」
という意味だが、この小説では死者たちが
「自分たち=死者を忘れるな」
「死者を敬え」
といっている気がした。
最後の数行の描写が際立って見事だった。
恐怖と哀感が二つ同時にあった。
自分はとくに物悲しさを感じながらこの小…続きを読む - ★★★ Excellent!!!怪異の理不尽とその正体 これぞ正に、怪談。
参勤交代の大名行列は、言わずと知れた、
江戸幕府が諸国大名等に強いた制度では
あるが、行列が行き過ぎるまでの間を地に
伏して『決して見てはならぬ』とされて
いる。
一方、この『決して見てはならぬモノ』は神などに於いても然り。
『見る』事は不敬に抵る為、固く禁じられ
平伏が課されるのだが…勿論、現代でも
同様の禁忌は先ず聞いた事がない。
この作品、まさに途轍もない状況から
始まるのだが、二転三転して更に途轍も
なく予想を覆される。
真夜中の大名行列は一体 何 なのか。
見る事が決して罷りならないだけに、正体
因果を予想するなど出来る筈もないが。
読んでいて、二度三度と度肝を抜かれる。
緊…続きを読む