第15話

否定の言葉は怖くて、言わなければ聞かずに済む。


それは暗黙のルール。






みんなで夕飯を食べた後、部屋でゆっくりしてると、ふすまの向こうから声がした。



「空、今いいか?」




「はい。」




声の持ち主はお父さん。





「話をしたいんだ。」




少し真面目なその顔は、なんとなくこれから話す内容が隠れ見えて正直怖い。


覚悟はまだできてない。




「はい。」




でもいつかは受け入れなければいけない。





「いつまでここにいたいと思ってる?」





やっぱり。


その話。




私は邪魔者。



早く立ち去らなければ。




今日だって、危なかった。


智恵さんに失礼な事言おうとした。



蓮華ちゃんにも、嫌な思いをさせてる。


ほかにも、誰も言わないけど、きっと私存在は邪魔だろう。





「ごめんなさい。

家が見つかったらすぐ出ていきます。」




だから…


そう続けると、お父さんは少し困ったように声をあげて笑った。

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