第14話

「いつからお付き合いしてたんですか?」




「私が18の時。高校の卒業式の次の日に、偶然再会したの。

そこから猛アタックよ!」



カレーを作りながらの久々の恋バナ。




嬉しくて、つい、少しの事で頬が緩む。




「空ちゃん、今日よく笑うね。

何かいいことでもあったの?」




「…あ、いえ。

恋バナ!久々にできて楽しいです!」



つい、本音が零れ落ちそうになるのを、ぐっと奥の奥へ飲み込んだ。

出てこないように。





絶対に。





「え~恋バナなんて高校生なんだからよくするんじゃないの?

こんな昔話より新鮮なの。」




「そんなことないですよ!」




でも、ほんとは聞いてみたい。



言ってみたい。




お母さんって、こんな感じかな?


あのね、お母さん。



学校の事や、気になる子の話。



暉の成長や、これからの事。



いろんな事、いっぱい、いっぱい。





あのね…





「   うるさい   」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る