第13話

「しかも、相手がくれたんじゃなくて、私がほしいってお願いしたの。」



笑っちゃうでしょ!と未だに照れた顔をする。




「好きだったんですか?」




「うん、とても優しい人でね…

私をよく助けてくれてた。

向こうは全っ然私の気持ちに気づいてなかったけどね。」




「でも、くれたんですか?」




「そうなの。

かなりびっくりされたけど。

もう助けてあげられないからってお守りにくれたの。」




「素敵ですね。」




「そうでしょ!?

私はこんな素敵だと思ってた思い出なのに!

マサはすっかり忘れてるの!!」




ぷりぷり怒りながらもジャガイモの皮を剥く智恵さんが、なんだか可愛くて、そして相手がお父さんだったのが、なぜかとても嬉しくてホッとした。

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