第4話

学校に着くと、意外と生徒は来ていて少し驚いた。

靴を履き替えて教室に向かうと、途中虎と一緒になった。



「おはよ。今日調子どう?」



「…おはよ。まあまあかな。」



晴との一件でパニックを起こしたあの日以来、虎とは少しギクシャクしている。

さっさと謝ってしまえばこんな風にならずに済んだのに、いつも間が悪くて中々言えずにいた。



「今日、来られたんだな。」



「…え?」



「潤が前に聞いたら卒業式は来ないって…」



ああ、そんな事を言った事もあったな…




「少し事情が変わって。」



「そっか。

今日、倉庫には来れない…か?」



少しの希望を乗せる様に虎は視線を逸らしてポツリと言う。




ごめん…



そう言いかけて、やめた。




「少しなら…大丈夫。」



人の多い所は避けがちだけど、避けてばかりはいられない。

たまになら、もしかしたら、そんな事気にせず楽しめるかもしれない。


そう自分に言い聞かせた。

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