「怪奇現象×ホラーバトルコメディ短編集」のうたい文句、ずるいっ(笑)
- ★★★ Excellent!!!
「怪奇」「ホラー」「バトル」「コメディ」そして「短編」。カクヨムにいる方なら、どれかには、絶対に惹きつけられるでしょう(笑) 要は、なんでもござれの楽しい小説だから、みんな読んでって! ということなのですが、こういうところにもジロギン2さまならではのウィットが行き届いています。
「1章2〜5話(1話あたり1000〜2000文字)構成の、それぞれ独立した短編集」であり、ちょっとした気分転換にのぞくのにぴったりな短編です。
でも、この世界観、はまります。各章はそれぞれ独立しているものの、それらは思わぬところでつながり、瞬時に世界を広げていきます。コメディらしく、ナンセンスな会話に、ちょっと「いかれた」(という古い表現がぴったりの)登場人物ぞろい。みんないかれてるんだけど、妙に人間くさくって、魅力的なのです。
本作が単なる活劇と一線を画しているのは、いろんなところに人間の闇が隠されている点ではないでしょうか。読んでいるときに、ふと、シニカルな視線に気づき、冷や水をかけられたような気分になったりします。それがホラーたるゆえんなのかもしれません。