ぜひ最後まで見届けたいと思える作品です

異世界転移(または転生)ものにおいて肝となるのは、言うまでもなく主人公に与えられる能力です。
強すぎれば興ざめになり、既存作と似通ってしまえば印象に残らない。
その点で本作には、思わず「その手があったか」と感心させられました。

物事が起こるたびに提示される選択肢。
そして、その選択肢が色によって「好転・維持・警告・危険」と示されるという仕組み。
好転を示す青が、状況によっては出ない場合もあるとはいえ、常に最適解が得られる、一見すると、まさにチート能力です。

ただ、物語の紹介文にある
「与えられた成功をなぞるだけの人生は、神の操り人形と何が違う」
「神に与えられた最適解に背き、運命を自ら切り拓く叛逆の物語」
という言葉が、単なる無双展開に留まらない気配を感じさせます。

まだ序盤までしか読み進めていませんが、主人公がいつ、どのように疑問を抱き、そして何に抗い、どんな選択を下すのか。

その先に待つ結末を、ぜひ最後まで見届けたいと思える作品です。

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