正月SS
作者から
二話連続です!
今年もよろしくお願いします。
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これは四年前の冬
まだ茜と昭良が出会う前のお話
「あっくーん、ミカン取ってー」
「はいはい」
私とあっくんは、こたつでぬくぬくしていた
時は遡り…
何やらいそいそと車の準備をしている父と、キッチンで料理をしている母
私とあっくんも机を運んだりと色々準備をしている
それもそうだろう
今日は大晦日
久しぶりに、あっくんの両親が帰ってくる日
そして皆でパーティーをする日でもある
正月は実家に帰るものではないのか?
それが私の家は結構早くに、おじいちゃんおばあちゃんが亡くなってしまった
それから親戚で集まることも少なくなった
対して、あっくんの家は大晦日に日本に帰ってくる
そのまま親戚の集まりは疲れるから、一度家で休んでから実家に行くらしい
要するに色々な事情があるわけですね
でもそのお陰で、あっくんと正月を過ごすことができるから嬉しい
そんなことを思っていると、目が合ってしまった
ニコリとしたら満面の笑みで返してくれた
うーん!好き!
「茜?私たちは、あっくんの両親を迎えに行くからね
二人で仲良くお留守番してるのよ?」
「うぇ⁉」
いきなり母に声をかけられてビックリする
何か察したのか、母はため息交じりに言葉を続ける
「あまりハメ外さないようにね?」
「な、ナンノコトカナー」
「ま、帰ってくるの夜だから
それだけ気を付けてもらえれば何でもいいわよ」
「…ありがとう」
一応気を使ってもらったみたいだからお礼は言っておく
母は何も言わずに私の頭をくしゃくしゃにする
結構強くて髪が崩れそうになる
けど別に嫌ではないから止めなかった
「じゃあ行ってくるわね
お留守番よろしく」
「はーい、いってらっしゃい!」
母が車に乗るのを確認してから家に戻って、玄関の鍵をかける
居間に戻ると、ほとんど準備が終わったのか、こたつの中に入っているあっくんがいた
「ぬくぬくしてるねー」
「温かいんだな、これが」
「では失礼して」
「失礼するなら入らないで下さーい」
「うるさいですねー」
こたつに足を入れる
思ったよりも温かくないな…いや、寒いなこれ
あからさまに怪訝な顔であっくんを見ると、嫌な笑みを浮かべてくる
「電源入れてないよ」
「…ふーん?」
何かしらを察した私
少し恥ずかしい事なので、目を逸らしながら答える
「今日、あるよ」
「赤面可愛い」
「う、うっさい!」
「一応、僕も持って来た…」
今度はあっくんが赤面になる
本人はその自覚がないのか、目を逸らしたりはしないけど
私もやり返す
「あっくん、顔真っ赤だね」
「うるさいな」
突然あっくんは私の元まで来て、押し倒してくる
あまりにも近くて思わず顔を逸らす
そのことに気づかれるのが恥ずかしくて言葉を続ける
「あっくん、ここ居間…」
「俺は構わないけど?」
「うぅ~」
突然の一人称俺のギャップに照れてしまう
きっと今、リンゴのように顔が真っ赤だ
そんな私に、あっくんはキスをしようと顔を近づけて…
「…何?」
私は近づいてきたあっくんの唇を手で押さえる
拒絶と受け取ったのか、鋭い目つきを私に向ける
それにすらキュンとしているのだからどうしようもない
流石に目を逸らすのはもったいない気がしたので、顔を手で覆い隠してから呟く
「…キスされたら、スイッチ入っちゃう」
とろとろに溶けた声で、精一杯理由を説明する
それがあっくんの何かに刺さったのだろう
「あっ…ん」
突然、お姫様抱っこをされる
そのまま二階の私の部屋まで運ばれるのだろう
私は抵抗せずに、あっくんの首筋に手を回し、耳元で囁く
「優しく…ね?」
自分でもビックリするほど甘い声が出てしまった
恥ずかしくて、あっくんの胸もとで顔をうずめる
「…あークソッ」
そうして私の部屋の扉を開けて、私をベットに優しく置く
それと裏腹に、あっくんの目は、まるでケモノのようだった
「今日は加減できないから」
「や、優しくお願いします…」
結局、その日は夕方ごろまでずっとシてしまった
その後に慌ててお風呂に入って、何とか事なきを得ました
追記:優しくなんてなかった
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