文化祭決め

三人で話し合った次の日

俺は先生に今日、文化祭の出し物を決める時間を作ってもらえないか相談した

「私は構わないが、少し気が早くないか?」

「先生

文化祭だったら色々準備が必要っすよね

だったら早ければ早いほどいいと思うんすけど」

「まぁそれもそうか

いいだろう

私の数学の時間の最後で話し合ってくれ

だけど無理に決めるな

何も今日中の必要はないからな」

「うっす

分かってます」


それから数時間後

そろそろ数学の時間が終わりそうだ

作戦はこうだ

俺と茜で何か案はないか聞く

色々出てくるだろう

その中に有愛が「美術展」を入れる

だけど美術展だけでは曖昧だ

そこで俺が「美術展って何するんだ?」と聞く

すると有愛が皆で作品を作って、それを教室で飾ろうと提案

それに、皆からの案も採用したいと追撃

これで皆が興味を持って採用!

…最後があんまりにも希望的観測!

全然成功する気がしねぇのは俺だけか?


「と言う訳でクラス委員長二人、あとは任せる」

そんなこと考えてたら時間になった

不安だなー

そう思って有愛を見る

…アイツ、作戦を立てたの自分だから絶対上手くいくとか思ってる顔だわアレ

腹痛くなってきたわ

それに…隣の茜もやっぱりおかしい

いつも通りのように振る舞っているが、どこかやつれているように見えるし、目は虚ろだ

皆もこの異変に気付いているのだろうか

教卓に立つ

「それでは文化祭の出し物について話し合いと思います!

何か意見のある人は手を挙げてください!」

茜の発言から色々な意見が出てくる

お化け屋敷、メイド喫茶、焼きそば、とにかく何かの屋台

そして、有愛が手を挙げる

「はい!有愛!」

「あっ!えぇっと…そのぉ…」

…アイツまさか、大勢の前で発表すんのビビってんのか⁉

こんなことで作戦を台無しにするわけにはいかねぇ!

茜とこっそり話す

「…このままじゃ埒が明かねぇ

アイツが何言いたいのか聞いてくるわ」

「それがいいね!

じゃあ続けるね!何かある人ー!」

進行の方は任せても大丈夫そうだ

急いで有愛のところに向かう

そこには顔を真っ青にした有愛がいた

俺は周りに聞こえないように話しかける

「おい、大丈夫かよ」

「ぜ、全然大丈夫…」

「声震えてんぞ

大丈夫じゃねぇだろ」

「ちょっと、昔を…思い出しちゃった」

「…何があったんだ

言いたくなかったら言わなくていいけどよ」

「そんな大したことじゃないの

小学校の頃、髪色のせいでよく奇異な目で見られてね

それ以来、視線が怖いの」

「なんでそんな大事なこと言わないんだよ…」

「もう治ったと思ったのよ

最近は見られても大丈夫だったから

でも全員の視線を集めると、ダメだったわ」

「そうだったのか…」

有愛は意外と繊細な心の持ち主だ

髪色のせいで色々と苦労したんだろう

なにか慰めの言葉を…

「俺は…好きだぜ」

「んふぇ⁉」

なんかさっきまで真っ青だった顔色が急に真っ赤になったな

とりあえず言葉を続ける

「有愛の髪色」

「…あぁそっちね」

あ、元に戻った

一体何だったんだ

「とにかく、どうすんだよ」

「何がよ…」

「美術展に関する質問だよ」

「あっ」

どうやらすっかり忘れていたらしい

まぁトラウマを思い出したんだ

仕方ないか

「私、多分無理かも…」

「じゃあどうすんだよ」

「じゃーちゃんが困ってる!

じゃあ私の出番じゃんよ」

突然後ろから声をかけられる

「その声は…成実か?」

「せいっかーい

何か分からないけど私にお任せ!」


成実に美術展に関しての説明をして欲しいと言うと軽く「OK!」と言ってくれた

「それにしてもねー

私、結構前からいたのに突然のラブコメで二人の空間に入れなかったわ

じゃーちゃんも満更でもなさそうだし…」

「ちょっ…成実!やめてよ」

「…何の話だ?」

「んーん

昭良は女の敵だねって」

「なんでだよ⁉」

何故にか女の敵認定された俺

有愛も頭ぶんぶんしながら肯定してるし

解せぬ

「でもなんで美術展?」

…どうしよう

話していいものなのか

「茜のためよ」

悩んでいたら有愛が即答した

コイツ、こういう時は悩まないな

「そっか。そっかー

じゃあ協力しないわけにはいかないね

でも、皆が納得するかは分かんないよ?」

「それでも諦める理由にはならねぇ」

「…昭良君は強いね」

「それって…」

何だと聞こうとして辞めた

成実の目には後悔が見えた

いつだっけ?俺はこんな目を見た気がする

それは夕焼けの公園で…

「成実…お前、姉がいたか?」

「…そうだねー

でも任せて

助けるって決めたから」

「そうか…

すまん、辛いこと聞いたな」

「全然大丈夫!

もう、終わったことだから…」

有愛も何か察したように黙り込む

その沈黙を打ち壊したのは、一番辛いはずの成実だった

「ま!美術展の説明は任せて」

そう言って自分の席に戻っていく

「…アンタ、最高に無神経だったよ」

「俺もそう思ってる」

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