第4話「ミリアの人生 2」
リーフレット城からサクヤ商店に着いたミリアは、サクヤ商店の入り口に執事服を着た男性が立っていた。
「ミリア様ですね?」
「はい。」
「旦那様から伺っています。まずは、ミリア様が住まわれるお部屋を案内します。その後旦那様にお会いになります。」
「分かりました。」
ミリアは執事服を着た男性についていき、部屋に案内をされた。
サクヤ商店の屋敷は、リーフレット王国でも一流とされるだけあって、壮大な佇まいを誇っていた。白い大理石の階段に、磨き抜かれた木製の手すり。廊下には立派な
「ここは、今日からミリア様のお部屋になります。もし足りないものなどがあれば、私または旦那様、もしくは商店の従業員におっしゃってください。」
「分かりました。」
「あ、申し遅れましたが、私、旦那様のお世話をしておりますガレンと申します。」
「こちらこそ、ミリア・リーフレットと申します。」
ミリアはまだ皇女としての礼儀作法が身についており、それがつい表に出てしまった。
「ミリア様、旦那様にお会いになるのは夕方になります。それまではご自由にお過ごしください。」
「ありがとうございます、ガレンさん。」
ガレンは一礼をしてから部屋を後にし、ミリアは部屋でゆっくり過ごすことにした。
夕方、部屋にノックの音が響いた。ミリアは、いつの間にか
「ミリア様、いらっしゃいますか?」
「はい?」
「旦那様がお帰りになったので、今からお会いになりますか?」
「お願いします。」
ミリアは清楚な服装に着替え、部屋を出ると、そこにはガレンが待っていた。ガレンに案内され、旦那様がいる部屋へと向かった。
ガレンが部屋のドアをノックする。
「旦那様、ガレンです。ミリア様をお連れしました。」
「どうぞ!」
ガレンとミリアは旦那様の部屋に入った。
旦那様との初対面
「お初にお目にかかります。ミリア・リーフレットと申します。」
「君が、あの国王の娘だな。」
「はい。」
「よく来たな。わしはこの商店の亭主、アーロン・サクヤだ。」
「よろしくお願いします。こちら、父上からの手紙です。」
ミリアは手紙をアーロンに手渡した。
「確かに受け取った。それで、ミリア殿、一つ伝えておきたいことがある。今日からお前はリーフレットのことを忘れ、ミリア・サクヤとして生きるのだ。」
「分かりました。それは嬉しいことです。」
「だが、そんな堅苦しい挨拶は不要だ。ここでは普通に過ごせばいい。」
アーロンの言葉にミリアは少しだけ肩の力が抜けた。
その後、アーロンから商店での基本的なルールや条件がいくつか伝えられた。ミリアはその全てを受け入れ、丁寧に返答した。
部屋を出たミリアにガレンが声をかけた。
「ミリア様、明日は私と一緒に身分証明書などを取りに行きます。その後はご自由にお過ごしいただけますので、今夜はごゆっくりお休みください。」
「分かりました。」
ミリアは自分の部屋に戻り、新しい環境に少し緊張しながらも、これからの生活に思いを巡らせていた。慣れない環境の中、なかなか眠りにつけないミリアだったが、窓越しに見える月を眺めながら静かに誓った。
「私の新しい人生、きっと素晴らしいものにしてみせる。」
夜空に浮かぶ月明かりの下、ミリアは窓際に立ち、故郷を振り返りながら心の中で呟いた。
「リーフレット王国、いつかきっと私が守ってみせる。」
その言葉には、ミリア自身の決意と新たな挑戦への覚悟が込められていた。
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